実機に触れて「iPhone Duo」を買うと決めた理由 “コンテンツに没頭できる”創意工夫は試す価値あり(2/3 ページ)

» 2026年09月16日 11時46分 公開
[村上タクタ,ITmedia]

アニメーションで内外ディスプレイの連続性を表現

 とはいえ、縦に長いスマホを前提とした縦スクロールコンテンツが多い現代において、白銀比のディスプレイは少し縦方向の視界が狭いと考えられたのかもしれない。下部に設けられていたiPhone伝統のドックと上部のステータスバーはリデザインされて右側に寄せられ、左右幅を有効活用し、縦方向に多くのコンテンツが表示されるように設計されている。

 スマホの象徴のような存在であった下部のドックを、デバイスの形状に応じて全く違う形にリデザインするあたりに、Appleのデザイン力の懐の深さを感じる。違う形のデバイスには違うデザインが必要なのだ。

iPhone Duo ドックとステータスバーを画面右側に集約した

 実際に触れて一番感動したのは、開くときに表示されるブラーを伴ったアニメーションだ。iPhone Duoを開くと、まるで表のディスプレイに表示されていたものが内側のディスプレイにスライドし、左の領域が広がったかのように見える。

iPhone Duo ブラーを伴ったアニメーション。ぜひ実物をご覧いただきたい

 このアニメーションは決して無駄なものではなく、外側で行っていた操作がそのまま内側に連続して表示され、表示領域がさらに広くなって便利に快適になったのだと感じさせてくれる。

 開くときの力加減も実によく考えられており、最初ちょっと重く、90度ぐらいまではスッとスムーズに開くことができる。さらに90度以降は任意の角度に止めて使うことも想定されているので、少し操作感が重くなり、最後はピタリとフラットになるまでスムーズに開く。

開閉の途中でも使える工夫

 開く途中の角度で活用することが考えられているのも、ユニークな点だ。

 「へ」の字型に曲げて立てると、充電しているときと同様、スタンバイ機能としてカレンダーや時計などのウィジェットを表示できる。また、その状態で映像や番組コンテンツを見ることもできる。L字型に置いて、立てている面を閲覧面、机と平行な面を操作面として使う方法もある。

 動画を再生した場合には、机と平行な面にコントローラーが表示される。また、写真アプリなら、垂直面にセレクトした写真、水平面に画像編集のコントローラーといった具合だ。

 カメラアプリを利用するときには、表裏のディスプレイを同時に使うこともできる。例えば、外側のカメラを使って撮影するときに、撮る側も撮られる側も映像を見ながら撮影することができるのだ。従来のスマホでは、撮られる側はどのような写真を撮られているのか分からなかったのだから、これは案外便利な機能である。

iPhone Duo 子供の目線を集めるための「キッズキュー」。カメラ側にディスプレイがあるからこそできる工夫だ

開いたときは、完全にコンテンツに集中できるように

 そして、本体を開くと、約7.6型という広大なディスプレイが現れる。

 実は筆者は旧iPad miniの表示面積が好きだった。小説やコミックスを読むのに非常に都合がよかったのだ。iPhone Duoの内側のディスプレイは、この旧iPad miniのディスプレイに近い感覚を味わわせてくれる。

 面積比でいうと約90%。旧iPad miniのディスプレイは 4:3(1.333:1)なので、縦横比は少し違う。物理的な寸法でいうと、旧iPad miniより長辺は約3mm短く、短辺は約9mm狭い。つまり、iPhone Duoの方が少しだけ横長だが、感覚的には近い。

 Galaxy Z Fold8 Ultraのように、一般的な縦長のスマホを横に2台つないだような形状だと、開いたときに正方形に近いディスプレイになる。

 正方形に近いディスプレイだと、縦にしても横にしてもあまり比率が変わらないので利便性に差が出ないが、iPad Duoのように縦横比が明確に違うと、横長のコンテンツは横に、縦長のコンテンツは縦にして使うことで、より画面に近い大きなサイズで表示することができる。

iPhone Duo 複数アプリを表示する場合は区切り線が現れる。右側の写真アプリから、右側のメールアプリに、写真をドラッグ&ドロップできる

 また、Appleが非常に苦心したのは折り目を目立たなくすることだ。折れ曲がるデバイスなのだから、完全に広げたときに折り目の跡が完全になくなるというわけにはいかないが、Appleはさまざまな工夫を詰め込んで、広げたときの折り目部分の凹凸をほぼなくすことに成功している。

 筆者が見た範囲では、試用機でも折り目がうっすらとでも見えるものは少なかった。ただ、全くないというわけではないので、個体差や経年劣化の結果、折り目が見えるようになったりはするのかもしれない。

 さらに注目してほしいのがカメラだ。iPhone Duoの内側のカメラは、アンダーディスプレイFaceTimeカメラと呼ばれ、ディスプレイの下に埋め込まれている。そのため、撮影しないときは上に文字や映像を表示できる。本を読んでいるときや映像を見ているときにカメラの丸があるととても気になるが、iPhone Duoの場合、それがないのでコンテンツにより没頭できるのだ。

iPhone Duo カメラはディスプレイ裏にありほとんど見えない

 この部分だけナノテクスチャー加工がされていないので、光に透かしてみると位置は分かるが、白い本を読んでいるときなどは気にならない。

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