「折り目があります」――Apple初の「iPhone Duo」実機画像がSNSで物議、高価ゆえにガッカリか

» 2026年09月10日 18時00分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 「折り目があります」「目立たないですが、シワがあります」――Appleが発表したブランド初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」の画面中央に存在する折り目が、SNS上で大きな議論を呼んだ。

iPhoneDuo 折り目 「iPhone Duo」

高額な価格設定が招いた画面の折り目に対するSNS上での厳しい評価

 直販価格が36万4800円からという設定は、最新のテクノロジーを求める消費者に対して非常に高いハードルを課した。

 この高額な価格設定ゆえに、消費者の新しい端末を見る目はかつてなく厳しくなった。画面中央に配置した折り曲げ部分に対して、わずかな凹凸も許容しないという強い姿勢が投稿から読み取れる。悲しみを示す絵文字とともに画面の折り目がはっきりと写った写真が拡散し、いわゆる炎上状態へと発展した。

 多数のユーザーが、特定角度から光を当てた際に折り目が視認できるという指摘を相次いで投稿した。高額な投資に見合う完璧な品質を求める消費者として当然の心理が、この折り目に対するシビアな評価に直結したようだ。

発表会に参加した来場者による写真の即時拡散と画面中央への過度な注目

 新製品の発表会に現地で参加した来場者が、展示した実機に触れた直後に写真をインターネット上へアップロードした。

 公式の画像を通じた情報発信よりも先に、参加者の手によって撮影した無加工の画像が世界中へ瞬く間に広まった。その結果として、端末全体の革新性よりも画面中央の折り目部分へと過度に注目が集まる事態を引き起こした。

 一部のユーザーは、内側画面を特定角度に傾け、周囲の強い光の反射を巧みに利用して意図的に折り目を強調した動画や写真を含めた。これにより、日常的な使用環境とは異なる極端な条件下での見え方が、標準的な状態であるかのように広く認識される一因を作った。

 参加者は、画面の下に埋め込んだカメラのレンズ部分と並行して、画面の継ぎ目がどの程度目立つのかを検証する目的で接写画像を多く撮影したと思われる。現地からのリアルタイムの一次情報が、製品のマイナス面を掘り下げる方向へと向かってしまっている。

折り目を軽減するための多層的アプローチとは

 技術仕様を確認すると、Appleは画面の折り目を完全に無くすのではなく、視覚的および触覚的に極限まで目立たなくするための非常に複雑な設計を施した。本体の心臓部にあたるヒンジ機構は、100以上の微小な部品と炭素繊維のサポートプレートを組み合わせて構成した。これにより、ディスプレイを広げた際に中央部分を下から強固に支え、表面を平らに維持する仕組みを実現したという。

 さらに、内側に搭載したディスプレイパネルの上下に高強度のガラスを配置した。そこへ専用の特殊な粘着剤を使用することで、端末を折りたたむ際に各層が本をめくるように滑らかにスライドし、曲げによるストレスを逃がす構造を採用した。ページめくりのような感覚が伝わる動画は、Appleが発表会中に示しており、Appleらしさの1つといえる。

 ディスプレイ表面には、ナノテクスチャ仕上げと呼ぶ特殊なマット加工を広範囲に施した。この光の反射を抑え込むマット表面処理は、折り目の視認性を最小限に抑えるためにあえて採用していると分析するポストも見られる。あえて光沢をなくすことで、凹凸の強調を防いだ。

iPhoneDuo 折り目 反射を抑える特殊仕上げと層が滑る接着構造により中央の折り目が目立たないインナーディスプレイ。マット加工で折り目が目立たなくなっているようだが、さまざまな角度から確認すると折り目は分かるようだ(参考URL:折り目の分かるポスト)

完全にゼロとはうたわず、極限まで目立たなくした

 SNSの反応を見る限り、特に海外において折り目は価格と同じくらい関心事であるようだ。だが、AppleはiPhone Duoとその折りたたみ構造を発表するにあたり、「画面が完全に平たんである」ことや「折り目がゼロである」ことを一度も主張していない。「購入から何年経過したとしても折り目なし」という発言や記述も見当たらない。

iPhoneDuo 折り目 ニュースリリースの日本語訳には「折り目を目立たせないマットな表面を作り出す」とされており、この中で「折り目ゼロ」なとという表現は用いられていない(出典:Apple Newsroom)

 公式リリースでは、特殊な表面仕上げがまぶしさを最小限に抑え、折り目の視認性を下げることで比類のない視聴体験を提供すると説明した。折り目の存在を否定せず、高度な技術的アプローチによって極限まで目立たなくしたという事実を正確に伝達する手法をとった。

 余談だが、ディスプレイ下部に配置したカメラも、非使用時は画面の背後に隠れるように設計しシームレスな表示領域を確保した。ここでも、物理的な切れ目や凹凸を視界から隠すための工夫を徹底している。

 折りたたむための柔軟な素材を採用している以上、構造的・物理的に折り目の発生は避けられず、現在の技術では完全消去は達成できない。この課題を即時に解決し、永久的に折り目ゼロを実現できるメーカーは今のところないだろう。

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