オプテージが運営する格安スマホサービス「mineo」の直営店「mineo 渋谷」が、2026年10月31日18時をもって営業を終了する。営業終了に伴い、最終営業日における各種手続きの受付時間は14時までに短縮される。
今回の閉店を受け、ITmedia Mobileはmineoの運営元であるオプテージにその背景に加え、開店から約10年間の利用客層や来店目的、店舗を通じたブランド理念の達成度、渋谷という立地の評価、そして今後の店舗運営体制やリアルな顧客接点の展開計画について聞いた。
mineo 渋谷は、2017年2月1日に東日本エリア初となる直営店舗として、東京都渋谷区宇田川町の渋谷平和クワトロビルに開設された。当時の運営会社であるケイ・オプティコム(現オプテージ)は、関西中心だったリアル店舗の展開を関東圏へ拡大し、実際に端末を試せる場や、即日渡しの契約窓口を整備する目的で同店を立ち上げた。
同店はビル1階から4階までの4フロアで構成され、従来の携帯ショップとは一線を画す多目的な体験・交流拠点として設計されていた。開設当時のフロア構成は以下の通りだ。
さらに店内には、全国のユーザー同士で余ったデータ通信量を分け合う「フリータンク」の残量をリアルタイムで視覚化する「リアルタンク」ディスプレイも設置された。
mineoは2016年1月にブランドステートメント「Fun with Fans!」を掲げており、ユーザーと共にサービスを創り上げる姿勢を打ち出していた。渋谷店はその思いを体現する象徴的な旗艦店として成長し、オフ会や季節イベントの場として親しまれた他、2024年6月にmineoがサービス開始10周年を迎え、契約数が130万回線を突破した際には事業戦略説明会の会場としても活用された。
ITmedia Mobileの取材に対し、オプテージ広報は閉店の背景やこれまでの成果について、次のように回答している。
まず、多くのユーザーが最も注目していた閉店理由について聞いたところ、広報は契約期間の満了が契機である旨を明かした。
「今回の閉店は、店舗物件の契約期間満了を迎えることが契機となっています。2017年2月のオープン以来、約10年間にわたり多くのお客さまにご利用いただいてまいりましたが、契約期間の満了という節目を迎えるにあたり、店舗運営について総合的に検討した結果、2026年10月31日をもって営業を終了することといたしました」
オープン以来どのような顧客に利用されてきたのかという点について尋ねると、広報は次のように振り返った。
「年齢層としては30〜40代を中心に、若年層からシニア層まで幅広い世代のお客さまにご利用いただいていました。来店目的につきましても、新規契約や契約前のご相談に加え、既存ユーザーの機種変更や各種お手続き、サポートなど多岐にわたっており、新たにmineoのご利用を検討されている方から、既にご契約いただいている方まで、幅広いお客さまにご利用いただいていた店舗です」
店舗を通じたブランド価値や「Fun with Fans!」理念の浸透度についての質問に対し、広報は4階の交流スペースや1階のマイラボ渋谷でのイベントを挙げた。
「mineo渋谷は、通常の契約・サポート窓口としての役割に加え、mineoのブランドや世界観を実際に体感いただくための拠点として、さまざまな取り組みを行ってきました。例えば、4階にはユーザー同士が交流できるスペースを設けていたほか、1階では共創型イベントスペース『マイラボ渋谷』を展開し、スタートアップ企業やクリエイターとのコラボレーションによるポップアップイベントなどを実施してきました。こうした取り組みを通じて、ユーザー同士やmineoスタッフとの交流、新たなアイデアや価値観との出会いを生み出すことができたと考えています」
その上で、成果について次のように明かした。
「『Fun with Fans!』が大切にしている、ファンの皆さまと一緒にお楽しみいただき、共に新しい価値を生み出していくという想いを、リアルな体験としてお伝えする役割を十分に果たせたと考えています。今回、約10年という節目で店舗の営業を終了しますが、こうしたブランドの姿勢が変わるわけではありません。今後もオンライン・オフラインを問わず、ユーザーの皆さまとの交流やブランド発信の取り組みを継続してまいります」
なお、mineoは2026年1月にブランドアップデートを実施し、「mineoの存在意義」や「めざす社会の未来像」を新たに制定している。従来のブランドステートメントである「Fun with Fans!」も完全に取り下げられたわけではなく、Webページやファンとの共創という姿勢の表れとして継続して残されており、ブランド理念の体系をより広い社会やビジネスへ拡張・進化させている。
東日本の情報発信拠点として渋谷を選定したこと理由について、街の特性とブランドイメージの親和性の高さを説明した。
「渋谷は、さまざまな文化や新しい価値観が生まれ、多様な人々が行き交う情報発信力の高い街です。新しいことへの挑戦や、多様な価値観を尊重するmineoのブランドイメージとも親和性が高く、ブランドの魅力を発信していくうえで適した立地であったと考えています」
さらに渋谷センター街近くという立地条件についても次のように述べた。
「渋谷センター街の入口近くという立地を生かし、mineoユーザーだけでなく、これまでmineoに接点のなかった方々にもブランドを知っていただく機会を設けることができました。特に『マイラボ渋谷』で実施したスタートアップ企業やクリエイターとのコラボレーションイベントでは、さまざまなコミュニティーの方々に気軽にお立ち寄りいただき、新しいつながりや交流を生み出すことができたと感じています」
渋谷店の閉店を踏まえた今後の店舗配置やユーザーとの接点について尋ねると、リアルな対面接点を維持する姿勢を示した。
「mineo渋谷は、ユーザーの皆さまとのコミュニケーションやブランド体験の場として、特別な役割を担ってきた店舗でした。今回、渋谷店の営業は終了しますが、mineoとしてユーザーの皆さまとのリアルな接点を大切にする方針に変わりはありません」
今後の具体的な展開方針については以下のように語った。
「他のmineo店舗では、引き続きご契約や各種お手続きなどの対面サービスを提供するとともに、全国各地でのユーザーオフ会や交流イベントなどを通じて、ファンの皆さまと直接コミュニケーションする機会を継続してまいります。また、オンラインコミュニティー『マイネ王』をはじめ、オンライン・オフライン双方の取り組みを通じて、今後も『Fun with Fans!』の理念を体現していきたいと考えています」
mineo 渋谷では、10月31日の営業終了に向け、最後を締めくくる特別企画が展開されている。
閉店前日の10月30日には、1階で「mineo渋谷 さいごのハロウィン『TRICK or GACHA!』」が開催される。公式キャラクター「マイぴょん」や外部のゲストキャラクターが集結し、記念撮影や限定グッズが当たる巨大ガチャ企画(先着200人限定)が用意されている。
最終営業日となる10月31日には「mineo渋谷さよならイベント」を実施する。当日は10時から18時まで、思い出クイズ大会やマイぴょんによるグリーティング、初期から店舗に関わってきた運営スタッフとの思い出トークセッションが予定されている。遠方のファン向けにはYouTubeでの生配信も行われ、配信内でパケットギフトコードの発表も予定されている。また、1階店舗内では壁面へのメッセージ書き込みや思い出写真の掲出ができる企画が進行中であり、メッセージを残した参加者には限定ステッカーが配布されている。
10月31日18時の閉店後は、近隣の直営ショップやサポート店、販売店、ならびにWebサイトでのサポート手続きが案内されている。約10年にわたりコミュニティーの拠点として親しまれた旗艦店は幕を下ろすが、リアルとオンラインを交えたファンとの共創スタイルは今後も形を変えて継承されていく。
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