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» 2006年10月30日 19時44分 UPDATE

「PCの成功モデルをケータイで」――au向けSNS「EZ GREE」の狙い

KDDIとグリーは、au携帯で利用できるSNS「EZ GREE」を11月16日に公開する。公式SNSでau携帯へのロイヤリティーを高め、顧客囲い込みに生かすほか、広告や有料付加サービスから収益を得る計画だ。

[岡田有花,ITmedia]
画像 KDDIコンテンツメディア事業本部長の高橋誠氏(左)とグリーの田中良和社長

 KDDIとグリーは、au携帯で利用できるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「EZ GREE」を11月16日に公開する。PC向けSNS「GREE」の携帯版の機能に、文字デコレーションやQ&Aサービス、心理テストなど独自機能を追加した。公式SNSでau携帯へのロイヤリティーを高め、顧客囲い込みに生かすほか、広告や有料付加サービスから収益を得る計画だ。

 KDDIはこれまで、PC向けのネットサービスを携帯電話に積極的に取り入れてきた。ディー・エヌ・エーと提携した「auオークション」や、Google検索の導入、携帯と連動したブログサービス「DUOBLOG」などがその例で、「PC系で成功したモデルにモバイルの魔法をかけ、成功させてきた」と同社のコンテンツメディア事業本部長の高橋誠氏は胸を張る。

 auオークションの月間ページビューは12億で、Yahoo!オークションモバイル版(3キャリア合計)の8億を大きく上回るという。Googleを導入して以来、携帯でいつでもどこでも検索するというスタイルも定着。あるテレビドラマで着うたプレゼントがあった際、テレビでの告知直後にGoogle検索数が急増した。「番組では、テレビ局サイトのURLを告知していたが、EZwebではドラマ名を検索してたどりつく人が多かった」(高橋氏)

 SNSは、auのネット戦略上「どうしてもやってみたかった次のステップ」(高橋氏)という。一度使い始めると乗り換えづらいサービスで、ユーザー囲い込みにもつながる上、広告や有料付加サービスからの収入、ARPUの向上も見込める。ただ自社開発では「1〜2年かかってしまう」(高橋氏)ため、スピーディーに動けるベンチャー企業・グリーの力を借りた。KDDIはグリーの第三者割当増資も引き受け、3億6400万円を出資している(関連記事参照)

 GREEは、グリー社長の田中良和さんが2004年に個人で開発し、mixiとほぼ同時期にオープンした招待制のPC向けSNS。2004年7月のインタビューでは開発の動機について「寝る前にアドレス帳や携帯のメモリを見て、こいつどうしてるかなとか、明日誰と遊ぼうかなとか考えていた」と語っており、携帯電話が発想の原点だった。

 GREEの登録ユーザー数は約40万人と、570万ユーザーを超えたmixiに大きく水を空けられたが、モバイル版では携帯電話で撮影した動画のアップロードに対応するなどmixiにはない特徴的な機能も開発。最近はPC版よりもモバイル版のほうがPVの伸びが急激という。

 田中社長は携帯ネットの世界が「Web2.0的」に変わってきたと語る。以前は公式サイトの限られたコンテンツを有料で見るだけだったが、欲しい情報を検索して無料で手に入れる時代に移行。SNSを利用すれば、情報を見るだけでなく、発信、共有できるようになる。「参加すればするほど面白くなるサービスにしたい」(田中社長)

ケータイだからこそ健全なSNSにできる

画像 トップページ(左)と個人ページ

 EZ GREEは、au携帯から招待不要で参加でき、GREEユーザーなら既存のアカウントでそのまま利用可能だ。メールや日記、コミュニティー作成、友人の検索といった従来の携帯向けGREEの機能に加え、日記やプロフィールを装飾できる機能、占いや心理テスト、パズルなどミニゲーム、Q&Aコミュニティー、Wikipedia検索が利用できる。占いや心理テストは、結果を日記に掲載することが可能だ。

 今後は、GPSと連動し、友人が今どこにいるか探せる仕組みの実装や、ニュースサービス「EZニュースフラッシュ」、個人ポータル「au My Page」、音楽サービス「LISMO」などとの連動など、auならではの新機能を追加していく計画だ。携帯のアドレス帳と連動させ、アドレス帳から友人のページを見に行けるようなサービスも計画している。

 当初の会員数目標は100万人。「携帯サービスは100万人を超えれば勢いがつく」(高橋氏)

 SNSは、出会いのためのツールとして使われ方をする危険性があるが、高橋氏は「独自のガイドラインを策定し、健全で安心できるサービスを提供できるようにしたい。携帯電話はユーザーの契約情報を握っているため、怪しいユーザーは突き止めることができる」という。田中社長はサービス提供にあたり、24時間・365日体制で監視できる体制を整える予定で、PC向けよりさらに安全なサービスを提供できるとしている。

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