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» 2009年03月25日 21時21分 UPDATE

mF247、ひろゆき氏と再出発 ニコ動連携で「サーバ代は月2万円」

「ひろゆきから声がかかり、ありがたいと思った」――mF247がニコ動と連携し、「Episode2」として再開した。システムは1から作り直し、サーバ費用は月額2万円に抑えたという。

[岡田有花,ITmedia]
画像 左から丸山氏、ひろゆき氏、ニワンゴ社長の杉本誠司氏、同取締役の木野瀬友人氏

 インディーズ音楽配信サイト「mF247」が、ひろゆき氏の力を借りて再出発――247Musicは、音楽サイト「mF247」を3月25日に「mF247 Episode2」としてリニューアルオープンした。新たにニワンゴと提携し、楽曲の動画を「ニコニコ動画」で配信。システムは1から作り直し、サーバ費用は月額2万円に抑えた。

 mF247は、247Musicが2005年8月にオープンしたサイト。審査を通過したアーティストに登録料を支払ってもらい、楽曲のMP3ファイルを無料配信していたが、2008年8月に休止した。「役割を終えた。はっきり言うと、言いたくないけど……失敗した」と、創設者で247Music会長の丸山茂雄氏は振り返る。

 247Musicは昨年8月、mF247の事業譲渡の優先交渉権をYahoo!オークションに出品。「ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)」のCDを販売しているクエイクが1位落札したが交渉がまとまらず、次点だったニワンゴ取締役の西村博之(ひろゆき)氏に交渉権が移った。ひろゆき氏は247Musicとリニューアルについて議論し、休止から約半年で再開にこぎ着けた。

 247Musicは今後、アーティストとの折衝や楽曲の審査などで関わり、サイト運営はニワンゴとひろゆき氏が担当。ひろゆき氏はmF247の「管理人」になるという。「音楽は単なる情報だが、聞いた人の心にしみた瞬間、“作品”に変わる。作品から金を取るか取らないかは、クリエイターが自分で決めればいい」――丸山氏がそんな思いで作ったサイトを、ニワンゴとひろゆき氏が引き継いでいくことになる。

ニコ動連携でコスト削減 サーバは「さくらインターネット」の月額1万円×2

 「以前の失敗点は、コストが高かったこと」とひろゆき氏は指摘。リニューアルでシステムを作り直し、ニコ動と連携することで運営コストを徹底的に下げた。サーバは「さくらインターネットの月額1万円のサーバ2台で月額2万円」(ひろゆき氏)という。

 新サイトは従来通り、審査に通ったアーティストを紹介するが、登録料は無料にした。MP3ファイルの無料ダウンロード配信に加え、ニコ動と連携して楽曲の動画も配信する。動画には通常、ジャケット画像を表示するが、プロモーションビデオをアップロード・公開することも可能だ。

 動画は、ニコ動に新設した「mF247チャンネル」に掲載。mF247のアーティストページからニコ動にリンクする形だ。動画ページには、mF247内のMP3ダウンロードページへのリンクも掲載。アーティストは、CDや関連グッズを「ニコニコ市場」に追加して宣伝することも可能だ。


画像 mF247トップページ
画像 アーティストページ
画像 ニコニコ動画の「mF247チャンネル」

 アーティストはmF247に楽曲登録するだけで、ニコ動ユーザーに広く楽曲を宣伝でき、CD販売などにつなげられる。音楽好きなユーザーは、ニコ動で楽曲を試聴し、気に入ったものがあればMP3をダウンロード可能。mF247側は、視聴用のストリーミングサーバや動画サーバを用意することなく、楽曲を配信ができる――という構造だ。

収益モデルはないが、「黒字化は難しくない」

 以前のmF247は、1万円(2曲目以降は1000円)の登録料がかかったが、新サイトでは登録料は全廃し、完全無料化する。現在、40組のアーティストが計60曲を登録している。

 「コストが低いため、登録無料でも運営できる。まずはできるだけ多くのアーティストを集めるのが先決」とひろゆき氏は狙いを話す。MP3のダウンロード時はサーバに負荷がかかるが「ダウンロードにはメールアドレス入力(ユーザー登録)が必要というハードルを設け、アクセスが集中しないようにしている」(ひろゆき氏)という。

 mF247には広告も掲載しておらず、収益モデルはまだない。まずは広く登録アーティストを募り、「楽曲の着うたやCD化、カラオケ配信や、アーティストグッズ販売のお手伝い」(ひろゆき氏)などで収益化していく考えだ。「ニコ動はコストが高いから赤字になっているが、mF247にかかる費用はニコ動の1万分の1。黒字化は難しくない」

丸山氏「ひろゆきから声がかかり、ありがたいと思った」と

画像

 247Musicとニワンゴが3月25日、東京・銀座のダイニングバーで開いた発表会見には、丸山氏とひろゆき氏がそろって登場。「風邪を引いた後沖縄で遊んで声がでなくなった」とささやき声で話すひろゆき氏をまねして、丸山氏もささやき声で話すなど、仲良さそうな様子だった。

 「ひろゆきから声がかかり、ありがたいと思った」――丸山氏はこう述べる。「われわれは、ITの街の外れのほうでわりと個性的に、地味に店を開いていたが、突然『それじゃあしょうがないだろう、俺のところの、にぎわっているショッピングモールのテナントに入らないか』と言われたような感じだ」

 以前のmF247――「Episode1」――は失敗だったと振り返る。「うちの店は人通りの少ないところにあった。ミュージシャンに対して、『世の中に出るのは大変だから、うちの店に品物並べてごらんよそうしたら見てくれるかもしれないよ』という思いで始めたが、思ったほど成果が上がらなかった。ものすごくうまくいくのではと思っていたが、そうはならなかった」

 ニコ動という「街のど真ん中にあるショッピングモール」の力を借りることで、「ミュージシャンが人の目に触れるチャンスが今までの何百・何千倍と増える。ミュージシャンに大きなチャンスがめぐってくるのではないか」と期待する。「mF247は従来よりショボくない。アーティストも張り切って応募してくださるといい」


画像 声が枯れ、筆談用?の紙を持って現れたひろゆき氏

 サイト運営はひろゆき氏に任せ、247Musicは、アーティストとの折衝や楽曲の審査などを担当。丸山氏は“裏方”に回る。「Episode1は成功したとは言えない。はっきり言うと、言いたくないが……失敗だった。失敗したオヤジは口を出さない方がいい。運営はひろゆきの考えを中心にしていく」(丸山氏)

 ひろゆき氏は「音楽を作ることで生活できる仕組みを提案したい。ドワンゴの着うた配信をmF247経由で始めるなど、アーティストが物を売りやすい環境を作りたい」と意気込んでいた。

 会場の客席には、mF247を継承できなかったクエイクの加藤和宏社長の姿も。新mF247について「コストを削減した点や、アーティストが食べていける仕組みを作りたいといった考え方がすばらしい。丸山さんが実現したいイメージに近づいたのではないか。新たな息吹を感じた」などと絶賛していた。

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