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SNSが窃盗犯の「獲物探しツール」に――英企業調査

» 2009年08月31日 14時51分 公開
[ITmedia]

 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に休暇の予定を書くときは気をつけた方がいい。プロの窃盗犯に狙われてしまうかもしれない。

 英保険会社Legal & Generalは8月27日、ユーザーがSNSに書き込んだ個人情報がセキュリティリスクをもたらす可能性があるとする調査報告書を発表した。この報告書の作成には、元窃盗犯でBBCの防犯番組に協力しているマイケル・フレイザー氏も協力している。

 同社の調査によると、FacebookやTwitterなどのSNSに休暇の予定を詳しく書き込んだことがある人は38%に上った。また33%は、SNSに週末に出かけると書き込んだことがあるという。こうした傾向に加え、ユーザーはあまり知らない人もSNSで友人登録してしまうことが多いため、セキュリティリスクにつながると同社は指摘している。同社が試しに、知らない人をランダムに100人選んで友人登録やフォロー承認をリクエストしたところ、Facebookでは13%が、Twitterでは92%が何の確認もせず受け入れたという。

 プライバシー保護されていないページに、休暇の予定を詳細に書いたことがある人は23%に上った。さらに17%のSNSユーザーが、知らない人からも見られるページに自宅住所を書いている人を見たことがあるという。

 元窃盗犯のフレイザー氏は、「窃盗犯が標的を探すために、SNSを使って一般市民と関係を築いていることは間違いない。彼らがどんな資産を持っているか、いつ家を空けるかについての情報を仕入れてから、標的を決めている」と語る。同氏はこれを「窃盗犯のインターネットショッピング」と呼んでいる。「SNSで標的を選んでから、Googleストリートビューなどで実際の家を探すのは非常に容易だ。全部ソファに座ったままでできる」

 同氏によると、プロの窃盗犯は1週間で十数人の標的候補をSNSで見つけられる。特に、SNSに加入したばかりのユーザーは、友人やフォロワーを熱心に集めようとするため、いい標的になるという。また特定の関心を持つ人も狙いやすいと同氏は言う。例えばペットの飼い主の場合、猫が出入りするためのドアがあったり、警報を切っていたりするため、セキュリティレベルが不十分なことが多い。

 Legal & Generalは、自分自身や自宅を危険にさらすかもしれない情報を公開しないよう注意する必要があるとし、「SNSで話をすることは、通りやパブで大声で話をすることと同じようなもので、誰に聞かれているか分からない」と注意を促している。

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