10月6日に開幕した「CEATEC JAPAN 2009」(千葉・幕張メッセ、10日まで)で、携帯電話関連の新技術をチェックできる。NTTドコモは目の動きで携帯電話を操作できるイヤフォンなどを出展。KDDIブースは、カメラと連動した直感コントローラーや、薄型化した燃料電池を展示している。
NTTドコモが参考出展していたイヤフォンは、目を右から左に動かすと音楽を再生、続けて2回右を見ると停止など、目を動かすことで携帯電話や音楽プレーヤーを操作できる。イヤフォンには片耳に3つずつ電極が付いており、角膜と網膜の電位差を検知し、目の動きを検出する。実用化は未定。
電極を皮膚にぴったりと付けなくてはならないため、人によって異なる耳の穴の形に対応させることが難しいのが課題だ。実用化した際は、どういう目の動きをした場合にどういう操作を行うかなど、ユーザーが設定できるアプリを提供したいという。
KDDIブースでは、カメラ付き携帯電話用直感コントローラーの試作機も展示していた。高さ2センチ程度の円柱状で、根本にバネが付いており、反対側には突起がある。携帯電話のカメラに取り付け、上下左右に動かしたり押し込むことで携帯電話を操作可能。専用アプリをインストールすれば、既存の携帯でも利用できる。
独自開発の画像認識エンジンを利用したシステム。コントローラーは中空になっており、突起部の裏側に、赤と青で塗られた四角形がそれぞれ1つずつ描かれている。コントローラーを動かすと、四角形の座標や大きさ、位置関係が変化。カメラがその様子をとらえ、画像認識エンジンで処理してアプリに反映する。
例えば、コントローラーを上下左右に動かして画面に動きを反映させたり、押し込んで決定ボタンとして使ったりできる。根本は回転できる構造で、くるくると回して画面上の画像を拡大・縮小するといったことも可能。物を動かして遊ぶゲームや、ソフトウェアキーボードを使った文字入力、画像ビューワなどに応用できる。
昨年のCEATECでは、カメラでとらえた画像と連動し、携帯を傾けることで操作できる体感型コントローラーを展示していたが、来場者から、「クリックした感触など、触覚的なフィードバックのあるコントローラーがほしい」という声があり、新コントローラーを開発したという。
KDDIは、燃料電池を内蔵した携帯電話の試作機も参考展示していた。東芝と共同開発したもので、本体の厚さは22ミリと、2005年に発表した試作機(40ミリ)より大幅に薄型化。燃料電池部の着脱も可能にした。商品化の時期は未定。
燃料カートリッジから携帯電話に内蔵された燃料タンクにメチルアルコールを入れると、DMFC(ダイレクトメタノール型燃料電池)セルが発電する。
発電した電力は、DC/DCコンバータを通して携帯電話本体に供給。内蔵のリチウムイオン電池にも蓄電する。本体の消費電力が発電量を超えると、リチウムイオン電池からも電力を供給し、動作を補助する仕組みだ。発電量は400ミリワット。
今後も小型化を進め、将来は厚さ20ミリ以下の端末を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR