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コラム
» 2010年02月09日 16時45分 UPDATE

Google、ビジネス版Google AppsにGoogle Voice追加を計画

Googleは今年、Google Appsに200以上の新機能を追加し、有料版向けにはGoogle Voiceを組み込む計画だ。実現すれば強力なUC製品になるだろう。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Googleのエンタープライズ部門のデイブ・ジルアード社長によると、同社は今年、Google Voiceの企業向けバージョンをリリースするとともに、希望するすべてのユーザーにGoogle Waveを提供し、さらにGoogle Appsに200の新機能を追加する予定だという。

 Google Appsは、Webベースのコラボレーションアプリケーションのスイート。Googleはこれらのアプリケーションを自社のサーバ上でホスティングし、無償でユーザーに提供している。1ユーザーに付き年額50ドルのPremier Editionも用意されている。このスイートにはGmail、Google Docs、Google Sitesなどのホステッドアプリケーションが含まれ、200万社以上の企業ユーザーが利用している。

 Googleでは、MicrosoftおよびIBMとの戦いに向けた取り組みをさらに強化する方針だ。MicrosoftIBMのオンプレミス(社内保有)型コラボレーションソフトウェアは、何千万社もの企業のサーバ上で運用されている。両社は2009年、Google Appsに対抗すべく、Webベースのクラウドコンピューティングモデルを利用したコラボレーションアプリケーションをそれぞれリリースした。

 ジルアード氏が米eWEEKに語ったところによると、同氏のチームは昨年、Google Appsスイートに100の個別機能を追加した。今年はその数が2倍に増える見込みだという。「新機能が次々とクラウドに流れ込むだろう」と同氏は語る。

 また、大々的な発表が行われるわけではないが、電話管理アプリケーションのGoogle Voiceの企業向けバージョンもリリースされる予定だ。

 米国で140万人以上のユーザーが利用している無償アプリケーションのGoogle Voiceは、Googleが割り当てた電話番号を利用することにより、ユーザーの自宅、勤務先、携帯電話などに電話を転送する。

 今のところ、Google Voiceには、PC同士、PCと電話機、電話機同士で直接通話する機能はない。しかしGoogleが買収したGizmo5は、人気の高いVoIPアプリケーションのSkypeと同様の機能を実現するソフトフォン技術を持っている。この技術を利用すれば、PC同士やPCと電話機の間で通話することが可能になる。Googleでは、こういった直接通話機能をGoogle Voiceに追加する予定だ。

 Google VoiceがGoogle Appsの一部として提供されれば、企業向けの強力な連係製品としてUCC(ユニファイドコミュニケーション&コラボレーション)スイート市場で訴求できる可能性がある。現在、企業はMicrosoftやIBMのUCC製品に何十万ドルも支払っているからだ。

 ジルアード氏は、Google Appsとモバイル技術が今年結合する可能性に大きな期待を抱いているようだ。この結合は、GoogleのAndroid OSを搭載するNexus Oneなどスマートフォンで実現されるだけでなく、GoogleのChrome OSやChrome WebブラウザがNetbook上に登場することによっても実現されるという。同氏はさらに、次のように語っている。

 携帯端末上のすべてのアプリケーションを通じて、さらに当社のChromeブラウザ、そして将来的にはChrome OSを通じて、より良いエクスペリエンスをエンドユーザーに提供するために全力で取り組んでいる。これは数本のアプリだけでなく、アプリスタック全体にわたる取り組みだ。

 Google AppsがChrome OSベースのNetbookに統合される可能性は高い。これらのマシンの売れ行きが好調であれば、Google Appsの普及が大幅に促進されるとジルアード氏は期待している。しかしChrome OS搭載Netbookが登場するのは2010年末になる見込みであるため、同OSがGoogle Appsの普及にどれだけ貢献するのかが明らかになるのは2011年以降になるだろう。

 さらにジルアード氏によると、Googleは今年、リアルタイムコラボレーションプラットフォームのGoogle Waveをすべてのコンシューマーと企業に提供するという。オープンソースのWaveプラットフォームは現在、招待ユーザーだけに提供されているが、Googleはこれまでに100万人以上のユーザーに同プラットフォームを提供した。

 Waveではユーザーがインスタントメッセージングでコミュニケートし、複数のユーザーによるドキュメント編集やソーシャルネットワーキングを1つのユーザーインタフェース上でリアルタイムで行うことができる。いわば、Google Appsプログラムの多くを“ライブ化”したようなものだ。

 ジルアード氏によると、Waveの機能の一部はほかのGoogle製品にも搭載される予定だというが、それがどのような形になるのかは不明だ。例えば、WaveとGmailが連係するのかもしれない。クラウドストレージソリューションとしての性格が色濃くなってきたGoogle Docsのワープロ、表計算、プレゼンテーションなどのプログラムを、Waveで簡単に利用できるようになる可能性もある。

 ジルアード氏は「完成度や認知度という点では、Google Appsのコアサービスのレベルには到底及ばない」と前置きしながらも、「Waveからどのような利用形態が生まれ、それがどのように変化するのか見極めるつもりだ」と話した。

 Googleのエンタープライズ部門は今年に入って鳴りを潜めていたが、Appsチームはこのところ活発な動きを見せ始めている。

 Googleが近々、Solutions Marketplaceを拡張し、同社のコラボレーションアプリケーションに連係するソフトウェアをサードパーティー開発者が販売できるようにするという報道もある。またGoogle Appsチームは2月4日、企業が携帯電話ユーザーの管理を強化するための機能を追加した

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