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【番外編】ITちゃんマジITねとらぼ

» 2010年08月20日 21時04分 公開
[ITmedia]

 こんにちは。ITmediaの担当者です。

 こんにちは。「ねとらぼ」アイコン用イラストを描いてる無名同人AことシコタホAです。なんだよこのタイトル。

 ネタがなくて。適当に。意味ないです。

 そうですか。イラストも何にも思い付きませんでした。すいません。

photo クリックで1920×1080ピクセルに拡大します

 時間ないんで手っ取り早く行きましょう。

 アタックステップ!

 あ、バトスピね。アニメは9月から新シリーズだよね。

 ドローステップ!

 意味分かってないだろ。

 うん。2年間アニメ見てるけど、いまだにルール分からんです。すいません。

 それはそうと最近アイコン絵の更新が滞りがちじゃないですか。

 すいません。だって描いても俺の同人誌売れないし。

 そういやiPhoneケースとニンテンドーDSケース用のイラストも描いてもらったっけ。

 同人誌の締め切りと重なってて、マジ涙出ました。

 さすがというか、実物見ると「おっ」ってなるくらいいい感じですよ。iPod Styleさんに無限の感謝!

 俺、1つくらいいただけるんですよね?

 原寸のイラストあるんだから、自分で作ればいいんじゃないの。

 いや、そこまではアレなんですけど。

photophoto 「イラストは例によってご自由にお使いください」(クリックで800×600ピクセルになります)

同人誌と電子書籍

 そういや夏コミでしたね。

 意味不明に暑かったです。売り上げはいつも通り地味ですよ。ええ。

 みんなよく行くよな。ほんと。

 今年も結局、参加者は過去最高だった去年の夏と同じ56万人だったそうです。

 そういや今年前半といえば電子書籍の話が多かったです。同人さん的には電子書籍ってどうなんですか。

 うん、コミケでなぜか「同人誌ってネットで公開しないんですか」って突然聞かれまして、お答えしながらいろいろ考えました。

 ほー。

 ウチなんかは制作から入稿まで完全デジタルなんで、データ公開とか電子書籍化って簡単なんですよ。実際、入稿したデータをPDF化してiPadとi文庫HDで読んでみたりしたこともあります。自分の本なんで面白くもなんともないんですけど、それはそれとして解像度が厳しいという印象かなー。ダメとは思わなかったけど。

 なるほど。

 でもね、それ以前にね、売れないですよ。たぶん。売れる気がしないです。

 あなたの同人誌は大して売れないという話は聞いてます。

 いやいや俺のが売れないのはともかくとして、同人誌の電子書籍がリアルの同人誌と同じくらいとか、それより売れる状態が全然想像できないって感じ。

 なんで?

 あくまで同人誌に絞った私見だとお断りしておきます。まずね、個人出版なんで仕方ないんだけど、同人誌って高いですよ。ジャンルによって相場はあるけど、例えば本文28ページ・表紙フルカラーで500円だとしよう。これを本文20ページと表紙イラストの電子書籍にすると。いくらなら買います?

 ははあ。

 今でもプロが描いた数百ページの単行本の電子版が400円とかで買えるわけですよ。同じ「電子書籍」って土俵で売るとなると、かなり値段下げないと厳しいような気がします。

 無料アプリに「ダウンロードして時間を損した」みたいなレビューが付いてたりするくらいだもんね(苦笑)。

 それに同人誌は2次創作が主流。電子書籍販売プラットフォームなんかに載せる場合は版権が絡んで微妙になってくるし、App Storeなんかだと18禁は難しいでしょと。じゃあ完全オリジナルで全年齢対象ならってことになるけど、いわゆる健全創作は同人的には売れないジャンルとして有名。ほんと売れない。2次創作で1000冊売ってた人が創作だと数十冊になったとか、そんな話もあったくらい売れない。電子化がチャンスにつながる人も出てくるかもしれないけど、「そういう人もいる」という程度のレアケースなんじゃないかなあ。

photophoto 「イラストは例によってご自由にお使いください」(クリックで800×600ピクセルになります)

 ダウンロード販売サイトって以前からあるじゃないですか。

 あれを電子書籍と呼ぶべきかどうかはさておき、18禁しか売れてないですね。どっちかっていうとマニアックなのが人気。全年齢はダウンロード数が1けたばっかりですよ。

 なるほど……。

 で、同人誌は現在、イベントや書店委託でリアルの本として大いに売れている。もともとマスをターゲットにした創作物じゃないし、本にすることでグッズをセットにして売ったりできるメリットもある。ある程度の冊数を刷ってある程度の値段で売れば粗利率が5割超なんてことも難しくないですよ。電子化して値下げ圧力で単価を下げて、その上で手数料3割を持っていかれてまで電子書籍化するメリットはまだ少ないんじゃないかなあと。ビッグサイトまで来てみんな買って読んでくれる。書店委託も売れる。電子書籍化する意味は「?」ってのが同人界の現状かと。

 同人誌に限ればの話ね。

 読者は電子化を求めてるのかなあ。それもあんまり聞かないなあ。そもそも同人誌ってアングラ志向のカウンターカルチャーでしょ。審査ガチガチなプラットフォームに載っけて売ってもらうっていうのはどうなんですかねっていう思想的な問題も一部ありそうな。

 ははあ、同人誌の電子書籍はまだまだ売れそうにないが、でもリアルでは売れていると。ではなぜリアルでは売れてるんだろ。ビッグサイトまで行って割高な本を買うっていうのは、どういうことなんだろう。

 うーん、理由はいろいろだと思うんですけどね、1つは、やっぱりね、夏コミ、暑かったですよ。

 うん。さっき聞いた。

 そう。暑かったし、初日からATMは完売したし、なのはも瞬殺──などなど、コミケに関して言えばさ、3日間で50万人以上が同じ場所に集まって、ある共通の体験をするという日本でも有数の「場」なんですよ。そんなイベントの磁場みたいなのは確かにあって……祝祭っていうかさ、リアル感っていうかさ、身体性っていうかさ、そういうものと同人誌と同人文化は起源からして不可分なんじゃね? と思わないでもないです。

 そうですかね。

 書籍や雑誌はともかく、同人誌に求められてるのは機能性だけじゃないという。電子化されたらただのオカズじゃねえかっていうね、やっぱり。

 というわけで、まだまだ厳しい暑さが続きそうですが、冬コミまで生き延びましょう。

 3日目はまた大みそかですね……。

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