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Facebookの顔認識機能「Tag Suggestions」、EUが調査を検討――米報道

» 2011年06月09日 15時04分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookが最近グローバルに提供を開始した顔認識技術に関し、欧州連合(EU)のデータ保護当局が調査を検討していると、米Bloomburgをはじめとする複数のメディアが6月8日(現地時間)、報道した。

 Facebookが7日に世界で使えるようになったことを明らかにした「Tag Suggestions」は、ユーザーが投稿した写真データを顔認識技術でスキャンし、過去に投稿された写真に付けられたタグと一致する人物が写っていれば、その人物に許可を得ずにユーザーにタグ付けを促すという機能。被写体はデフォルトでサジェストされるようになっており、候補になりたくなければプライバシー設定でオプトアウトする必要がある。

 Bloomburgによると、EUの27カ国および英国とアイルランドの当局が、この機能の違法性の調査を検討しているという。欧州委員会の司法自由安全総局第29条作業部会のメンバーであるジェラルド・ロンメル氏は「被写体の人物へのタグ付けは、事前に許可を得た場合にのみ行われるべきであり、デフォルトで有効になっていてはいけない」と述べ、自動的なタグ推奨は「ユーザーに多大なリスクをもたらす」と主張した。

 Facebookはこうした報道を受け、米Reutersに対し、政府当局からの正式な調査は受けていないとし、「複数の政府当局による同製品機能に関するコメントを受け、懸念を解消できる情報を提供している」と語った。

 同社は、Tag Suggestions機能は新たに投稿された写真でのみ機能するもので、友達にしか表示されず、ユーザーは設定を無効にできると強調したという。

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