萌えキャラに擬人化した家電が登場するノベルゲームで遊びながら家電を制御できる――ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)と大和ハウス工業は、スマートフォンアプリを利用してゲーム感覚で家電を操作するシステムの実験を公開した。
大和ハウス工業が開発したソフトウェア「住宅API」で連携させたさまざまな家電を、ソニーCSLのコンテンツ開発プラットフォーム「Kadecot」で作成したスマートフォンアプリを利用して一括制御する試み。今回の実験に採用されたアプリ「萌家電」では、家電を擬人化した“萌えキャラ”たちが登場。ユーザーは各キャラクターとノベルゲーム風な受け答えを楽しむことで、実際に家電の操作も行えるという夢の未来がそこにあるのだ。
ノベルゲームといえばゲーム内のイベント発生が楽しみの1つ。このシステムでも、家電キャラ同士が仲良くなるイベントが起きると家電同士が連携できるようになる──といったお楽しみが待っている。
例えば「空調機たちの夏」というイベントでは、扇風機とエアコンの電気代の合計を一定値以内に抑えることで、“扇風機”ちゃん(30歳前後の女性という設定)と“エアコン”さん(武骨だが働き者の男性という設定)の結婚イベントが発生。すると、それまで個別の操作しかできなかった2つの家電を連携操作できる「とにかく涼しく」モードなどがアプリ内のリモコンに追加されるといった具合だ。
実験に利用されたアプリ「萌家電」は2011年秋に公開予定。また同アプリの開発に用いられたプラットフォーム「Kadecot」も同時期の公開を予定しており、ユーザーは会話文やキャラクターの表情を設定することで簡単にシナリオを追加できるようになるという。
大和ハウス工業の吉田博之主任研究員は、「これまで『スマートハウス』と呼ばれていたものはほとんどエネルギー周りの技術だけが押し出されていて、利用するかどうかは個人のモチベーション頼みという面が大きかった。スマートフォンアプリとの連携によって、『ゲームをいじっていて気が付いたら節電になっていた!』という、従来とはまったく違った切り口を提供したい」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR