1万円つよインクプリンタはどこまで活用できるか――EPSON PX-V500(1/2 ページ)

» 2004年02月25日 18時56分 公開
[今藤弘一,ITmedia]

 プリンタの「旬」はだいたい秋口と相場が決まっている。年賀状需要にあわせる形で、各社とも9月頃から新製品を発表するとともに、メディア系Webサイトや雑誌に情報が氾濫するし(もちろんITmediaも例外ではない)、TVCMなどが頻繁に流されるなど、「プリンタの季節」を謳歌することになる。

 ところが年も明けてしまうと、その大騒ぎも消え去り、何事もなかったかのように静まりかえってしまう。2月や6月に多少新製品が登場するものの、秋に発表された製品のマイナーチェンジだったりと、新しいテクノロジーを搭載した機種が続々と登場、ということはあまりない。

 この状況の中で、セイコーエプソンから新しい機種が発表された。「PX-V500」というこのプリンタは、秋に発表された「PX-V600」の低価格バージョンで、市場想定価格1万800円という、ショップによっては1万円を切って販売されるであろう、コストパフォーマンスの高い機種だ。

コストパフォーマンスに優れる「PX-V500」

 どこまで高性能なプリンタが必要なのかは、人によって違うだろう。高性能なデジタル一眼レフカメラで写真を撮り、A4サイズの画像を頻繁に印刷する人には、その性能を十分に発揮できるプリンタが必要だ。ただ、日常のスナップ写真をたまにL版で印刷したり、年賀状で活躍するだけ、といった人には、それほど高額なプリンタは必要ないだろう。

 プリンタの売れ筋はというと、価格イメージで1万5千円から2万5千円の間、というあたりだろう。もっとも昨年の年末商戦では、CMの効果もあってか、複合機の「PM-A850」が一番売れたそうだ(実売価格3万5000円程度)。ただ、このPM-A850のプリンタエンジンは、実売価格で1万5000円程度の「PM-G700」相当であり、プリンタ機能だけを見れば、売れ筋の商品がそのままハマった、と言えなくもない。

 プリンタの購入を考えるとき、安くて高性能なプリンタが欲しい、というのは当然の欲求なのだが、果たしてどのランクのプリンタを買えば満足できるのだろう。ショップの店員から勧められるのはやはり、先ほどの売れ筋のライン、となるわけだが、PX-V500のような低価格プリンタは、果たして「全く使えない代物」なのだろうか。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  7. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  8. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  9. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー