APC「ES 725JP」は、8個ある電源タップのうち、4個はサージ保護機能のみ、残り4個にバックアップとサージ保護機能が搭載されるUPS(無停電電源装置)である。フル充電時で最長75分駆動できるという、12ボルト9Ahの大容量バッテリーを内蔵し、最大450ワット分給電可能となっている。
アキバ各ショップの販売価格は2万円前後と、1万円程度から購入できる製品もある中で、個人向けUPSとしては比較的高価な部類になるかもしれない。ただしその価格差は最大何ワット出力可能か、そしてその出力でどのくらいバックアップ駆動が可能かといったバッテリー性能によるものが大きい。消費電力が大きいと言われるPrescottコアPentium 4や、録画用にHDDを何台もというようなパーツを多数搭載しているしているようなPCで使用する場合には、バックアップ電源使用可能な時間だけでなく、最大出力はどのくらいかというのも重要である。
例えば、APC製品の下位モデルであるBK350JPは、最大出力が210ワットで最長バックアップ電源駆動時間は32.5ワット消費時で52分、最大出力ぎりぎりとなる195ワット消費時で約6分のバックアップ時間が得られる。対してES 725JPは、最大出力が450ワットで、32.5ワット消費時で75分、同じく195ワット消費時では約13分、そして最大出力となる455ワット時で2分45秒となる。
各出力における バックアップ電源駆動時間の違い | ES 725(BE725JP) | CS 350(BK350JP) |
最大出力(ワット) | 450 | 210 |
最大出力 (VA) | 72.5 | 350 |
32ワット/50VA(以下同) | 75分 | 52分 |
65/100 | 52分 | 30分 |
97/150 | 32分 | 18分 |
130/200 | 21分 | 12分 |
162/250 | 16分 | 8分 |
195/300 | 13分 | 6分 |
227/350 | 10分50秒 | ― |
260/400 | 8分 | ― |
292/450 | 6分 | ― |
325/500 | 4分50秒 | ― |
357/550 | 4分20秒 | ― |
390/600 | 3分30秒 | ― |
422/650 | 3分 | ― |
455/700 | 2分45秒 | ― |
また、モジュラージャック、LAN、TVアンテナ線用のサージ保護ポートを備え、落雷時などで発生するサージやスパイクから機器を保護してくれる安心機能も搭載する。
では、ES 725を利用する準備を整えていこう。
本体にバッテリーを入れ、家庭用電源コンセントへ接続。「バックアップコンセント」側へ、PCやルータ、外付け機器などバックアップ電源を使う機器を接続していく。なおコンセント延長・増設タップやタコ足の使用は推奨されていないが「最大出力(455ワット)の範囲内なら使えないこともない」(APCサポート)とのこと。
そして、PCの自動シャットダウンや機器管理のためのツールを利用するための通信用USBケーブルをPCと接続する。
Windows XP/2000 Professional/Me/98、MacOS Xで使用できるユーティリティソフト「PowerChute Personal Edition」は、現時点でバックアップ可能な残り時間などをチェックしたり、バックアップ駆動中にどのくらいの時間が経過したら自動シャットダウンを行うかという設定などを行うものだ。
バックアップ可能な時間がどのくらいあるかということと、上記の表を見比べると、いまPC(含む、ES 725に差した機器)がどのくらい電力を消費しているか、ということも分かる。
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