ハードウェアMPEG-4対応で「小さく保存」「即再生」──NEXX「NTVC-760PGN」キャプチャーカード(1/2 ページ)

» 2005年03月01日 08時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

MPEG-2とMPEG-4のハードウェアエンコードに対応

 NEXXの「NTVC-760PGN」はPCI対応のキャプチャーカード。CPUに負担の少ないハードウェアエンコード機能に加え、3D Y/C分離、ゴーストリダクションといった高画質録画機能も備えるイマドキの「売れ線」スペックをそなえた製品といえる。

 「NTVC-760PGN」が競合のキャプチャーカードと大きく異なるのは、ハードウェアエンコードが一般的なMPEG-2だけではなく、MPEG-4にも対応していることだ(USB接続のキャプチャーユニットではエルザジャパンからEX-VISION 1700TV USBが出荷されている)。

NTVC-760PGN

 対応するMPEG-4フォーマットは映像がMPEG-4 Advanced Simple Profile、音声がMP2又はMP3となっている。MPEG-2と同程度の画質をより低ビットレート、つまりコンパクトなファイルサイズでという、DivXやXvidなどと同じタイプと思えばいいだろう。

 ハードウェアで対応したメリットは、もちろんMPEG-4でのダイレクト録画につきる。テレビチューナー、もしくは外部のビデオ機器から直接MPEG-4で録画することが可能。MPEG-2で録画した同じ長さの保存ファイルと比較して半分以下のサイズでも、同程度の画質が維持される。

 MPEG-2形式での録画も可能なので、CMカットなどの編集作業をおこなうことが前提であったり、DVD-Videoとして保存したいユーザーでも、目的に合わせた使い分けができる。

 MPEG-2の最大ビットレートが9Mbpsという点は競合製品に見劣りするが、DVD-Videoへのオーサリングが前提であれば、結局のところ9Mbpsが上限になるので、実質的に不便を感じることはほとんどないだろう。

EPGもサポート、MPEG-4録画にも最適化された視聴録画ソフト

 テレビの視聴と録画をおこなうソフトはNEXXオリジナルのもの。表示ウインドウと操作ウインドウが独立したタイプで、表示ウインドウは自由に配置でき、フルスクリーン表示も可能だ。ホイール操作などには対応しないが、基本的な使い勝手でとくに不満を感じることはない。常時エンコードタイプのようなのでテレビを視聴するときでもCPU使用率が高めなのは気になるが、それでもイマドキのPCであれば動作が重くて困った、と思うこともないだろう。

付属のテレビ視聴録画ソフト。使い勝手に大きな不満はないが、競合製品と比較してとくに便利と思える点もない

 予約録画ではEPGもサポート。EPGとして利用できるのはiEPGで、専用ウインドウ内に任意のiEPGサイトを表示させて録画予約が可能だ。予約録画をおこなうのはほかの機能も兼ねるスケジューラで、視聴予約にも利用できる反面、予約録画におけるマージンという概念がないようだ。例えば19:00からの番組を予約すると、19:00ちょうどに録画処理を開始するので、番組の冒頭5〜10秒程度は欠けてしまう。これはぜひ改善してほしいところだ。

EPGは専用ブラウザに任意のEPGサイトを表示して利用する。標準ではinfoseek、テレビガイド、gooが登録され、任意のサイトも登録可能。テレビ王国でも問題なく録画予約できた

EPGサイトで録画予約をクリックするとスケジューラが起動、「追加」をクリックすると録画予約が追加される。録画時間や録画と音声のフォーマット、ビットレートなども個別に設定可能。EPGからの予約では録画ファイル名に録画開始時間、番組名が含まれるので管理は容易だ。「映像、音声停止」にチェックを入れておくと、録画動作中でもテレビ画面と音声がない「サイレント録画」にしてくれる

 また、EPGを利用するまえには、ソフトのチャネル設定に対してEPGで使われているテレビ局の名称を事前に入力しておく必要がある。競合製品のほとんどは地域を指定するとその地域で使われているテレビ局とチャネルの組み合わせを自動で設定できるので、このような手間はまずない。全体に「荒削り」という感は否めない。

EPGを利用するにはチャネルに対してテレビ局の名称を手動で設定する必要がある。かなり初期のEPG対応製品でも見られたが、いまとなっては面倒。最初はEPGからの予約がうまくいかなくて焦ってしまった

 録画解像度はMPEG-2が720×480(D1)、640×480(VGA)、480×480(SVCD)、352×480(1/2D1)、352×240(QCIF)ドット、MPEG-4が720×480、640×480、352×240、160×120ドットが準備され、ビットレートは各録画解像度に対して自由に設定できる。

 MPEG-4は一般にアスペクト比情報を持っていないので、テレビ録画ではアスペクト比が4:3の640×480ドットは必須だ。この点はきちんと配慮されたものと言えるだろう。

録画フォーマットは「画質」という考え方ではなく、解像度が基本で任意のビットレートを組み合わせる。詳細設定ではVBR時の最大ビットレートなど、さまざまな設定がおこなえる

低ビットレートでも綺麗なMPEG-4録画

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