「彼らが我々に追いつくためには多くのことをしなければならない」──ATI「Hyper Memory」をアピール

» 2005年03月23日 21時27分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 自前のビデオメモリを少なくすることで価格を下げ、足りない分は高速のPCI Expressを介してシステムのメモリを共有する。これが新世代のバリュークラスGPUのキーテクノロジーとなっている。

 ATIがRADEON XPRESS200で採用したHyperMemoryも、NVIDIAがGeForce 6200に組み込んだTurboCacheも、片や統合型チップセット、片やデスクリートのGPUという違いはあれど、ローカルとメインメモリの共有技術という点では同じ性格だ。

 ATIはHyperMemoryを、同社の最も廉価なラインアップ「RADEON X300SE」に組み込んだ「RADEON X300 SE 128MB Hyper Memory」「RADEON X300 SE 256MB Hyper Memory」(以下、RADEON X300 SE HM)を3月4日に発表、バリュークラスのグラフィックスカード市場でGeForce 6200 with TurboCacheとコンセプトも技術も完全に競合する製品を投入した。

 ATI本社デスクトップ・マーケティングプロダクトマーケティングマネージャーのビジェー・シャーマ氏が述べる、RADEON X300SE HyperMemoryで取り入れられた新しいデザインアプローチは、「PCのリソースを利用し、コストパフォーマンスを最大化することで構造的なコスト削減を実現した」こと。

 この言葉だけではNVIDIAのTurboCacheとなんら変わりはない。シャーマ氏は市販ゲームやPCMark04などのベンチマーク結果を並べ、GeForce 6200 wTCよりも優れたコストパフォーマンスをアピールした。

「RADEON X300SE 128MB HyperMemory」とRADEON X300SE 258MB HyperMemory」の構成。単なるローカルメモリの容量以外にGPUとしての構造や動作クロックに違いはない。RADEON X300SE 128MB HyperMemoryのローカルメモリ容量が32Mバイトであるのに注目

ATIが示した市販ゲームのベンチマーク結果(上)とPCMark04などによるベンチマークの結果。RADEON X300SE HM、GeForce 6200 wTC、Intel 915Gといったバリュークラスシステムのグラフィックスコアを比較している。GeForce 6200 wTCのローカルメモリは32Mバイト、システムのチップセットはすべてIntel 915Gを使用

3DMark03の結果とシステム(メモリとグラフィックスカード)の価格から導き出したコストパフォーマンスの比較

 TurboCacheのパフォーマンスはローカルメモリの容量で大きく変わることが知られているが、ATIの示すベンチマークの結果は、どちらもローカルに32Mバイトのビデオメモリを搭載したカードで比べている。

 GeForce 6シリーズとの「親和性」が高いDOOM 3こそGeForce 6200 wTCが上回るものの、FarCry、half-life2など軒並みRADEON X300 SE 128MB HMが優勢となっている。

 シャーマ氏はHyper Memoryの要素技術と処理の概要も説明。Hyper MemoryはPCI Express x16にネイティブで対応する「HyperMemory System Bus Interface」とシステムメモリとローカルメモリのアクセスを制御する最大帯域12Gバイト/秒の「HyperMemory Memory Controller」、そして共有するシステムメモリとローカルメモリで利用するデータのアサインを行う「HyperMemory Software」で構成される。

 PCI Express x16を利用してシステムメモリとローカルメモリでグラフィックデータを共有し、HyperMemory Softwareが状況に合わせてシステムメモリ、もしくはローカルメモリにデータをアサインし、それぞれのメモリを同時にチェックして必要なデータを取り出して処理する。

 グラフィックスデータの格納ストレージは、大きく分けてシステムメモリとグラフィックスカードのローカルメモリだが、システムメモリは一次格納庫ともいうべき「GART Memory」とそこからさらにデータが移される「Pageable System Memory」に分けられ、さらにスワップされてHDD、というように、通常のデータと同様グラフィックスデータもシステムメモリを使用できる。

 シャーマ氏は「このように複数のストレージに格納されたデータを1つのブロックとして扱うことができる。これが我々の強味だ」とHyperMemoryのメリットをアピールした。

HyperMemoryでは、ローカルメモリからシステムめもり、そしてスワップされてHDDにまで分散したグラフィックデータを1つのブロックに保存されたものとして扱える。これが「競合他社」と比べたパフォーマンスの高さに影響している

HyperMemoryの説明と併せて、同じATI本社から来日したアドバンスト・テクノロジー・マーケティングテクニカルマーケティングマネージャーのアレクシス・マザー氏が「ATIのビデオへの取り組み」について説明。「彼らもようやくこの重要性に気が付いたが、我々のレベルに追いつくまでには多くの問題を解決しなければならないだろう」と、こちらもNVIDIAを強く意識した内容となっていた

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