なぜ「ポタアンを使うと音がよくなる」と言われているのか野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ コラム(1/2 ページ)

» 2012年08月30日 17時00分 公開
[ 野村ケンジ,ITmedia]
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「ポータブルヘッドフォンアンプ」で音はよくなる?

photo 人気のあるポータブルヘッドフォンアンプの1つ、iBasso「D12 Hj」

 澪ホンことAKG「K701」を含む高級ヘッドフォン/イヤフォンやUSB DACのぷちブームに続き、最近のPCオーディオ関連においてはポータブルヘッドフォンアンプと呼ぶカテゴリの製品も注目を集めつつある。

 これを使うと音がよくなるというが、それはなぜなのか。「とても効果があった」という人がいる一方で、「たいして変わらない」という意見もある。今回は、ヘッドフォンアンプとはそもそも何か、もし音がよくなるならそれはどんなロジックなのかを確認しよう。

 まずは、ヘッドフォンアンプの役割から。ヘッドフォンアンプとはその名の通り、ヘッドフォンというサウンド再生機器で音を出すための音声信号を増幅する機器(ヘッドフォン用のアンプ)だ。もちろん製品としてのヘッドフォンアンプはUSB DAC機能なども搭載されていたりするので、もはやアンプ(Amplifier:増幅器)の一言では片付けられない複雑な製品になってきているのだが。


photo ソニーのUSB DAC搭載ポータブルヘッドフォンアンプ「PHA-1」

 ここで1つの疑問が生じるかもしれない。──「あれ、iPodやiPhone、ウォークマンも、ヘッドフォン/イヤフォンをつなげば普通に音が出るのに、ほかにも必要なの?」

 そう、ポータブル音楽プレーヤーやスマートフォンなどのポータブル機器には、標準でヘッドフォンアンプは内蔵されている。だからヘッドフォンをつなげば、ちゃんと音が出る。それなのに、わざわざこのほかにヘッドフォンアンプを追加するなんて、ずいぶんおかしな話だと思うのは当然だ。

 確かにポータブルプレーヤーにはヘッドフォンアンプが内蔵されているが、それらはあくまでも純正・付属イヤフォンなら十分というレベルで構成されることがほとんどだ。そこに高級ヘッドフォンを組み合わせてしまうと、音質も音量も不足することになってしまう。例えると、ベンツSクラスの車体に軽自動車のエンジンを載せて走るようなものか。単体ヘッドフォンアンプは、その高級ヘッドフォンが本来の実力を出せるよう、いわば出力を引き上げる役割を果たす。結果として「音がよくなった」という意見につながるのだと想像できる。


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