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» 2014年02月04日 14時15分 UPDATE

“Shift hinge”で4つのスタイルを提案:「FMV LIFEBOOK TH90/P(WT1/P)」の新しい変形機構を速攻チェック (1/2)

富士通の2014年春モデルは個性的な2機種のみが新製品で、残りは2013年秋冬モデルが併売される。このTH90/P(WT1/P)は新設計のヒンジによって、4つのスタイルで利用できる2in1 Ultrabookだ。

[前橋豪(撮影:矢野渉),ITmedia]

新設計の“Shift hinge”で4つのスタイルに変形

tm_1402th_r_01.jpg 富士通の新しい13.3型2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH」シリーズ。発売日はカタログモデル「TH90/P」が2月21日、カスタムメイドモデル「WT1/P」が2月下旬以降(2月4日より注文受付)の予定だ

 既報の通り、富士通は新デザインの2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH」シリーズを発表した。店頭販売向けのカタログモデル「TH90/P」と、購入時に仕様を選べる「富士通 WEB MART」直販のカスタムメイドモデル「WT1/P」が用意されている。今回は発売に先駆け、試作機を入手したので変形機構を中心に見ていこう。

 最大の特徴は、同社が“Shift hinge”と呼ぶ独自のヒンジ機構だ。液晶ディスプレイの中央下部に小さなヒンジを1つ備えており、通常のチルト(傾き)調整に加えて、左右180度ずつのスイベル(回転)調整に対応している。小さなヒンジは一見、頼りなく思えるかもしれないが、剛性は十分。チルトやスイベルの調整は任意の位置でピタリと固定でき、スイベルの角度が0度もしくは180度の際にはカチャッと音がして止まるので、画面の回転や反転は快適に行える。

 TH90/P(WT1/P)はこのShift hingeにより、以下の4つのスタイルに変形できる。

(1)ノートPCスタイル

 従来同様、おなじみのクラムシェルノートPCスタイル。液晶ディスプレイを閉じた状態では画面とキーボード面を保護したまま持ち運ぶことができ、開けばキーボードとタッチパッドを使って文書作成などの作業を効率的に行える。

tm_1402th_r_02.jpgtm_1402th_r_03.jpg 「ノートPCスタイル」の見た目は、通常の変形しないUltrabookとほとんど変わらない。当然、慣れ親しんだクラムシェルノートPCと同じ使い勝手を提供する。パームレスト面はアルミニウムの削り出し、天面と底面はマグネシウム合金のボディだ。パームレスト面と底面を箱のようにかみ合わせて堅牢性を高める「超圧縮ソリッドコア」構造を同社Ultrabook「FMV LIFEBOOK UH」シリーズから継承している

(2)バリアススタイル

 変形機構を備えた2in1デバイスが増えつつある中、このヒンジ機構だから実現できるスタイルが、この「バリアススタイル」だ。画面が水平方向に回転できるため、ノートPCの本体を動かすことなく、隣の人や向かい合った人に、画面をサッとスイベルさせて見せることができる。左右に180度ずつスイベルするので、画面を見せたい相手が自分の周囲のどの角度にいても、素早く画面を向けることが可能だ。画面を見せ終わったら、直ちにノートPCスタイルへ戻れる。

tm_1402th_r_04.jpgtm_1402th_r_05.jpg 左右にスイベルするヒンジだからこそ可能な「バリアススタイル」。液晶ディスプレイのチルトとスイベルはスムーズに行える

(3)シアタースタイル

 ノートPCスタイルから画面を右か左に180度回転(反転)させて固定し、画面側から見ると「シアタースタイル」となる。スタンドに立てかけたタブレットのような見え方になり、名前の通り動画や写真の閲覧に最適だ。もちろん、この状態で画面のチルト調整やタッチ操作が行える。

 ノートPCスタイルと比較した場合、映像コンテンツの視聴で不要なキーボードが奥に隠れ、画面が手前に近づくことで、表示内容への没入感が高まる効果がある。また、ノートPCスタイルで画面をチルトさせて使うより、占有スペースが狭くて済むので、カフェの小さいテーブルや航空機、新幹線の中などでも活用したい。

tm_1402th_r_06.jpgtm_1402th_r_07.jpg 液晶ディスプレイを反転させた「シアタースタイル」は、映像コンテンツの視聴に向いている。このスタイルでは、PC本体側の右下に音量ボタンが現れ、手軽に音量を調整できるようになる(タブレットスタイルでも同様)

(4)タブレットスタイル

 シアタースタイルの状態でそのまま画面を閉じると、液晶ディスプレイ部とPC本体部がぴったり重なり、1枚板のようなタブレットスタイルになる。画面サイズと重量の関係から、手で持って使うのは短時間に限られるが、タッチ操作や筆圧対応デジタイザスタイラスを使った手書き入力がしやすい。少人数のプレゼンでスマートに資料を見せながら、強調したい部分にペンで書き込むといったことも容易だ。

tm_1402th_r_08.jpgtm_1402th_r_09.jpg 画面を反転させて上向きに閉じた「タブレットスタイル」。1枚板のような一体感があり、13.3型ワイドの大画面タブレットとして利用できる




 この手のスイベル型ヒンジは、Windows 7以前のコンバーチブル型ノートPCでよく見られた機構だが、厚くなり、かさばる傾向にあった。今回のTH90/P(WT1/P)は、ヒンジの剛性を保ちながら、小型化を果たしており、ノートPCスタイルでもタブレットスタイルでも一体感のあるフラットで薄いボディを実現しているのが大きな特徴だ。

 また、2in1 Ultrabookには画面がチルトしたまま360度回転するタイプが多いが、こうした製品ではタブレットスタイル時にキーボードが底面に来てしまう。通常タブレットスタイルでは、指でキーを押しても誤動作しないよう、キーボードがオフになるが、指がキーの凹凸に触れるのが気になるユーザーは少なくないだろう。その点、TH90/P(WT1/P)の変形機構ならば、ノートPCスタイルとタブレットスタイルで底面が変わらず、キーボードは内側を向くので、単体のタブレットとしても扱いやすい。

 本体サイズは320.8(幅)×235(奥行き)×17.1〜19.3(高さ)ミリ、重量は約1.59キロ(実測値で1.557キロ)。13型クラスのモバイルノートPCとしては重いほうだが、約200kgf(重量キログラム)の天板全面加圧試験、約35kgfの天板一点加圧試験にクリアした剛性あるボディに、変形機構とデジタイザスタイラスへの対応、高精細表示の液晶ディスプレイ、豊富なインタフェースなどを考慮すると、許容できる重さではないだろうか。

 Ultrabookなど最近の薄型ノートPCは、バッテリーの着脱に対応しない製品がほとんどだが、TH90/P(WT1/P)は工具いらずで底面のカバーを外し、バッテリーの交換が行えるのも見逃せない。採用するリチウムポリマーバッテリーの容量は45ワットアワーで、駆動時間は約12.5時間としている。

tm_1402th_r_10.jpgtm_1402th_r_11.jpg ノートPCスタイルで液晶ディスプレイを限界まで開いた様子(写真=左)。スイベルするヒンジ機構を感じさせない薄さだ。バッテリーを手軽に着脱できる構造は、長期利用でありがたいポイント(写真=右)。オプションで交換用のバッテリーも用意されている。スティック型のACアダプタは、実測でのサイズが32(幅)×135(奥行き)×29(高さ)ミリ、重量が188グラム(ケーブル込みの総重量で239グラム)と、持ち運びが苦にならない大きさだ

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