キーボードについて見ていこう。キーの配列は英語キーボードで、MacBook Pro/Airの英語キーボードとそっくりだ。キーの形状や色はもちろん、キートップのフォントまで似せてあるなど、徹底して作り込まれている。主要キーのキーピッチは約19ミリ、ストロークの深さも約1.5ミリを確保しており、実際に触った限りではMacBook Pro/Airとほとんど同等と言えるキータッチを実現している。
またMacBook Pro/Airのキーボードと同じく、バックライトが利用できるのも利点だ。これにより、薄暗い室内などでも快適に入力できる。トラックパッドは搭載していないので、MacBook Pro/Airそっくりと言うには語弊があるが、キーボード部分だけにフォーカスするならば、同製品(の英語配列キーボード)に慣れ親しんだユーザーは、かなり近い感覚で利用できるだろう。
では、Smart Keyboardと比較した場合はどうだろうか。まずキー配置については、どちらも英語キーボード配列であり、大きな相違はない。キーピッチについても約19ミリで変わらず、個々のキーの面積もほぼ同等だ。
もっともキーの数で比較すると、iK1200は78個、Smart Keyboardは64個と、14個もの差がある。その理由は、Smart Keyboardでは最上段のファンクションキーが丸ごと省かれているからだ。QWERTYキーの部分だけを見ているとうっかり見落としてしまうのだが、この差は大きい。またSmart Keyboardは矢印キーの配列が逆T字型でないため、iK1200のほうが自然に使えるだろう。
また、iK1200とSmart Keyboardと比較した場合、最大の違いはキータッチだ。iK1200のアイソレーションキーボードの質感、タッチはまさしくMacBook Pro/Airのそれであり、Smart Keyboardの独特な弾力ある押下感とは大きく異なる。
一方、Smart KeyboardにあってiK1200にない特徴としては、防水防塵機能が挙げられる。Smart Keyboardはキーのすき間がない構造のため、防水性や防塵性に優れているが、iK1200はMacBook Pro/Airと同様のアイソレーションキーなので、Smart Keyboardに比べると、水やホコリの侵入には弱い。とはいえ、屋外利用および工業現場での利用など防水防塵性がメリットを発揮できる環境でなければ、マイナスにはならないだろう。
キーボードの特徴は以上の通りで、実際に使ってみても、Bluetooth接続で起こりがちな遅延も見られず、快適な入力が可能だ。筆者は普段、日本語キーボードを使っているため配列の違和感はあるが、英語キーボードを使っている人からすると全く問題ないだろう。電力はiPad Pro本体から供給されているとのことだが、バックライトがオンの状態も含めて、目に見えてバッテリーが減りやすいなどの違いも感じられない。
ちなみに実際に使ってみてMacBook Pro/Airとの違いを顕著に感じるのは、キーボード手前にあるパームレストの奥行きが狭いことだ。iK1200にはMacBook Pro/Airのようなトラックパッドがないため、パームレストを広く取る必要は設計上ないが、手のひらが触れる位置にちょうど段差が来るレイアウトになっているため、最初はやや違和感がある。
なお、パームレストの素材がアルミなのでひんやりしており、寒い冬場はややこたえることも、認識しておいたほうがよいだろう。
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