ニュース
» 2017年02月08日 21時26分 UPDATE

プリントの楽しさを再発見:1年間インクの追加購入不要! 新エコタンク搭載モデル「EW-M770T」の進化ポイントまとめ

大容量インクタンクを採用して話題を呼んだエコタンク搭載モデルに新たなフラッグシップモデルが加わった。日本のニーズに最適化したという「EW-M770T」はどこが変わったのか。

[前園宏,ITmedia]

エコタンクの新フラッグシップモデル「EW-M770T」登場

 大容量インクタンクの採用により「2年間インクの購入が不要!」のうたい文句で登場したエコタンク搭載プリンタは、家庭向けインクジェット市場が縮小傾向にある中、インクカートリッジで利益を得るビジネスモデルからの脱却を図った画期的な製品として脚光を浴びた(「インクが高い」はもう古い:2年間インクの購入が不要! 大容量インクタンク搭載プリンタがエプソンから)。

 それから約1年、エプソンは新たに「EW-M770T」を発表、従来のColorioシリーズやColorio V-editionとは別の柱として、低ランニングコストを追求するエコタンク搭載モデルのラインアップを拡充している。初代モデルと比較して「EW-M770T」はどこが進化したのか、ポイントを絞って見ていこう。

エコタンクを搭載したA4カラーインクジェット複合機「EW-M770T」。予想実売価格は6万円台後半(税別)

家庭向けのデザインで、より使いやすく、コンパクトに

 まず本体を見て気づくのが外観の変更だ。従来のややもっさりとしたデザインから、直線基調のシャープなデザインに変わっている。本体サイズは約425(幅)×359(奥行き)×161(高さ)mm(収納時)とコンパクトになり、EW-660FTから横幅は90mm、高さは80mm削減された。また、給紙機構が2段カセット+背面給紙の3wayになったのもポイント。サイズの違う用紙を印刷するごとに用紙を入れ替える手間がなく、ビジネスユースなど複数の用紙を使い分ける際に重宝する。

内部構造の見直しによりコンパクト化を実現

 フロント前面にはタッチ操作に対応する2.7型液晶を新設。インクタンクも前面側の窓からインク残量を確認できるように改良された。タンクは撥水処理が施されており、インク量が見やすくなっている。

2.7型液晶を搭載。Colorioを踏襲する設定画面で動作音低減モードもある。通常利用でもEW-660FTより動作音がかなり静かになったと感じたが、動作音低減モードにするとさらに静かだ

 この新型インクタンクにあわせて、インクボトルも変更され、各色に応じた注入口にボトルの先端を差し込むだけで自動的に補充が完了する新設計となった。注入口は色ごとに異なるカギの形状をしており、インクの入れ間違いを防ぐように配慮されている(原理的に別の色を入れることができない仕組みになっている)。

新型インクタンクで採用した「挿すだけ満タン」インク方式。タンク側の注入口はインク色にあわせたカギ形状になっている。ボトル側は特殊な弁により、充てんが完了すると自動的にインクの流れが止まる仕組み

従来モデル(EW-660FT)のインクタンク。過失によるインクこぼしや手の汚れといった不安を指摘されていた

顔料と染料の2つのブラックを採用した5色構成 写真印刷を視野にいれた改良

 インク構成も顔料ブラック+染料4色(フォトブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)の構成になった。従来は顔料ブラック+染料3色で、文字がくっきりと見える文書印刷には向いていたが、写真印刷の表現力は低く、今回その不満を解消した形だ。また、写真印刷用途を考慮して耐久性も向上。耐光性は50年、耐オゾン性は10年になった。なお、EW-M770Tで使用されるインクは、EW-M660Tよりも品質が高いものだという。

染料ブラックの採用により、髪の毛など黒の表現が豊かに。なお、原稿にあわせて最適なインクが自動的に選択される

 また、機能面でも写真印刷を視野にいれた改良が施されている。大きなところではフチなし印刷への対応だ。EW-M660Tでは、購入を見送った要因として「フチなし印刷への非対応」を挙げるユーザーが多く、新インクによる写真表現力の向上も含めて、従来の弱点をなくしている。このほか、SDメモリーカードスロットの内蔵やスマホ/タブレットとの連携(Epson iPrint)なども目を引く。

ランニングコストは上昇

 大容量インクタンクにより、インク交換の手間を低減し、ランニングコストも大幅に抑えたエコタンクだが、初回充てん用のインクボトルとさらにもう1セットインクタンクを付属していたEW-M660Tとは異なり、EW-M770Tに交換用のボトルは付属しない。

 このため、「インク満タンから1年間インクの追加購入なし」(A4カラー文書を300ページ/月で換算)と、2年間をうたっていた従来モデルから約半分になっている。1枚あたりのランニングコストはカラー約1.3円、モノクロ約0.5円で、従来のカラー0.8円/モノクロ0.4円に比べると上昇してしまった。これについて同社は「発売から1年が経過してもまだ付属のセットインクに手をつけていない人が多いという調査結果から、全体のコストを抑えるために省いた」と説明している。

付属のインクでA4カラー文書を5000ページ印刷できる。4色インクジェットのPX-M650Fで5000ページ印刷するにはカートリッジが42本必要な計算で、その分交換の手間が多い

 本体価格もEW-M770Tの予想実売価格は6万円台後半(税別)。EW-M660FTの登場時が5万円台半ばで、現在はさらに価格を下げていることを考慮すると、写真印刷を求めないならば、継続販売されるEW-M660FTという選択肢も有力かもしれない。

日本に最適化した「日本発のエコタンク」

 ただし、ここまでEW-M770Tの強化点を見てくれば分かる通り、EW-M770TとEW-M660FTには決定的な違いがある。もともとEW-M660FTは(高価なインクカートリッジのビジネスモデルにそぐわない)海外を中心にコスト重視で展開してきた製品の“逆輸入”であるのに対し、今回のEW-M770Tは、高い品質や機能を求める日本のユーザーに向けた「日本発のモデル」ということだ。

 大容量インクタンクによるインク交換の手間のなさや、カラーでもインク代を気にせず印刷できる手軽さはしっかりと「エコタンクらしさ」を受け継ぎつつ、さらに国内向けに最適化した機能を搭載して従来の弱点をカバーしている。

 エプソン販売 販売推進本部課長の吉田氏は「普段の生活の中でプリントすると便利で楽しい場面はたくさんあるが、コストを気にして印刷をためらうユーザーがいる。そうした実態をエコタンクで塗り替えたい」とEW-M770T投入の意気込みを語る。

 印刷したいときにインク切れでプリンタが使えない経験やインクカートリッジを買いに行って純正品の値段にため息をつくといった経験が重なり、いつの間にかプリンタにホコリが被っているという方は、プリントの楽しさを“再発見”できるEW-M770Tに注目してみてはいかがだろうか。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう