エプソンは9月1日、家庭向けインクジェトプリンタ「カラリオ・プリンター」シリーズの最新モデルとして、スタイリッシュなデザインに生まれ変わったA4複合機「EP-879A」をはじめとする5機種7モデルを発表した。また、写真印刷に適したK2インクを採用するColorio V-editionシリーズにA4複合機「EP-30VA」を追加したほか、2年分のインクを付属するエコタンク搭載モデルのラインアップを拡充、A4複合機の「EP-570T」も投入している。
6色染料インクを採用したA4複合機「EP-879A」は、本体サイズが約349(幅)×340(奥行き)×142(高さ)mmのコンパクトなボディーが特徴。従来機(EP-808A)との比較で横幅を41mm削減し、設置面積は約42%小さくなっている。カラリオ複合機史上最小のコンパクトボディだ。また、フラットな天板と曲線を取り入れたフォルムの外観は、OA機器にありがちな“継ぎ目”を極力排除し、360度どこから見ても自然とインテリアになじむデザインになっている。
同社の調べによると、プリンタを購入する際の決め手になるのは、価格に次いで本体サイズが重要な項目になるという。このためEP-879Aでは内部構造から設計を見直し、紙送り機構の配置とヘッドの稼働領域を最適化したほか、新しいインクカートリッジによるレイアウト変更によってコンパクト化を実現した。
また、新インクの搭載により写真画質も向上した。具体的には、グリーン領域のガマットを拡大し、森など緑が多い写真がより立体的に表現できるようになっている。写真補正機能の「オートフォトファイン!EX」および「Epson Color」にも引き続き対応し、「失敗しない写真プリント」(同社)を手軽に楽しめるのもウリだ。
このほか、作品を選ぶ際に便利な機能として、焦点距離や露出などのExif情報に加え、出力したプリンタ名や印刷品質をプリントに印字する「撮影情報付き印刷」、写真をフレームに入れたようにあえてフチあり印刷する「余白・余黒印刷」を搭載。また、画像処理プロセッサを刷新することで、地色(紙)を除去してコピーしたり、等高線のような細い線を失わずにコピーする機能が強化されている。
ユーザーインタフェースやメンテナンス性も向上している。新しい液晶操作パネルでは、文字の階調性を16段階に引き上げて視認性を確保しつつ、機能別にタブ分けすることでよく使う機能に素早くアクセスできるようになったほか、画面遷移を減らすUIに変更。また、割り付け設定をビジュアルで伝えるなど、直感的に操作できるようになっている。
さらに今回、ユニークなスマホ連携機能として、EP-879Aと接続されたUSBメモリやSDメモリーカード、外付けHDDなどに写真を保存し、スマホアプリ「Epson Photo Library」から閲覧や印刷ができる簡易フォトストレージ機能を用意したのも目を引く(10月中旬提供予定)。このほか、ラッピングやブックカバーに活用できるパターン印刷を本体だけで出力できる「デザインペーパー印刷」機能も搭載する。
「いままでのプリンタにはない新しい発想をコンパクトなボディーにつめこんだ。プリンタの新たな楽しみ方を感じてほしい」(セイコーエプソン常務執行役員プリンター事業部長 久保田氏)。
新カラリオの主力となるEP-879A以外では、6色染料インク搭載のA3対応機「EP-979A3」と、A4対応多機能複合機「EP-709A」、A4複合機「PX-049A」、そして宛名達人「PF-81」に「年賀状デザイン集 2017」を付属した2016年モデル(PF-81 2017)が発表された。
“ときどきA3”がコンセプトのEP-979A3は、A3用紙を二つ折りにし、表裏を2回スキャンすることで、PCなしでA3原稿をコピーできるように強化された(従来はPC経由のみ)。このほか、「撮影情報付き印刷」や「ましかく印刷」、コピー機能の強化など、EP-879Aで加わった新機能も一部搭載している。
EP-709Aは新6色染料インクを採用し、写真画質を向上。また、L判(1枚)の印刷速度が従来機(EP-708A)より2秒短縮した17秒に高速された。一方、顔料インクの採用によりハガキや文書印刷に適したPX-049Aは、液晶ディスプレイが非搭載ながら、ボタン操作でコピー枚数を指定できる「部数指定コピー」(20枚まで)に対応している。
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