32コア・64スレッドの第2世代「Threadripper」まとめ 編集部に届いた「2950X」を開封したぞ(1/2 ページ)

» 2018年08月07日 11時56分 公開
[石川ひさよしITmedia]

 AMDは、「第2世代 AMD Ryzen Threadripper Processor」を発表した。編集部が入手した評価キットの中身をレポートしよう。

 第2世代Ryzen Threadripperは、第2世代Ryzen、つまりGLOBALFOUNDRIESの12nmプロセスルールで製造される「Zen+」ベースのアーキテクチャを採用したエンスージアスト向けのCPUだ。

第2世代Ryzen Threadripperが入った評価キット

 第1世代のRyzen Threadripper同様、ソケットTR4を採用しており、対応するチップセットもAMD X399のまま。既にAMD X399搭載マザーボードを所有している場合は、ファームウェアアップデートをすることで利用できる。

予告されていた32コア・64スレッドのThreadripperはクリエイター向けの「WX」

 第2世代Ryzen Threadripperでは、ラインアップが少々変更されている。目玉となるのがクリエイター向けと定義される「WX」で、2990WXは32コア・64スレッドと、同社がサーバ向けに展開しているEPICと同数のコア・スレッド数を実現している。また、価格は1799米ドルとされており、ライバルのCore i9-7980XE(18コア・36スレッド)の1999米ドルよりも抑えてきた。動作クロックは、ブースト時4.2GHz、定格3GHzだ。

第2世代Ryzen Threadripper「WX」
製品名 コア・スレッド数 クロック(定格/ブースト) L3キャッシュ TDP 価格
Ryzen Threadripper 2990WX 32C・64T 3.0/4.2GHz 64MB L3 250W 1799USD
Ryzen Threadripper 2970WX 24C・48T 3.0/4.2GHz 64MB L3 250W 1299USD

 消費電力は250W。従来180WだったThreadripperだが、これを大きく超えてくるため、利用する場合はマザーボードの対応、電源の対応をよく確認した方がよいだろう。特にマザーボードは安価なものではなく、電源回路設計の確かなものを利用したい。

 WXの下位モデルには24コア・48スレッドの2970WXも用意されている。動作クロックは2970Xと同様で、TDPも250Wで変わらず、価格は1299米ドルだ。発売は2990WXが8月13日、2970WXは10月の予定。

 なお、リリース中には2990WXを液体窒素冷却し5.1GHz駆動させ、CINEBENCH R15のCPUで7618cbを記録したと記載されている。

エンスージアストゲーミングには16コア・32スレッド以下の「X」を展開

 もう一つのシリーズは「X」で、こちらはゲーミングを含むエンスージアスト向けとされる。今回は2950X、2920Xの2製品が発表された。上位の2950Xは16コア・32スレッドで、コア・スレッド数だけなら1950Xと同等、Zen+というアーキテクチャ面での改良と、プロセス変更に伴い動作クロックがブースト時に4GHzから4.4GHzへ、定格時に3.4GHzから3.5GHzへと引き上げられた。2920Xは12コア・24スレッドでここも1920Xと同様だが、アーキテクチャ変更とクロック引き上げが行われている。

第2世代Ryzen Threadripper「X」
製品名 コア・スレッド数 クロック(定格/ブースト) L3キャッシュ TDP 価格
Ryzen Threadripper 2950X 16C・32T 3.5/4.4GHz 32MB L3 180W 899USD
Ryzen Threadripper 2920X 12C・24T 3.5/4.3GHz 32MB L3 180W 649USD

 TDPは180Wのままなので、こちらは既に第1世代Threadripperが稼働中のシステムであれば交換するだけで問題なく動作するだろう。2950Xは8月31日の発売予定、2920Xは10月の予定だ。

 特にWXシリーズで、CCXのレイアウトが変更されたとみられるが、そこで気になるのがPCI Expressレーン数。今回の発表ではPCI Express 3.0が64レーンとされており、これは16コア以下のXモデルと同等だ。EPICのようにそれ以上のレーンはサポートされていない。

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