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» 2012年05月30日 23時22分 UPDATE

電気自動車:電気自動車を家庭用電源に、世界初の実用システムが登場

電気自動車や、プラグインハイブリッド自動車が搭載する蓄電池を家庭用電源として利用する実験に、自動車メーカー各社が取り組んでいる。日産自動車は他メーカーに先んじて実用システムの販売を始める。

[笹田仁,スマートジャパン]

 日産自動車は2012年5月30日、同社が販売する電気自動車(EV)「リーフ」を家庭用電源として利用可能にするシステム“LEAF to Home”(図1)の提供を6月中旬から始めると発表した。EVやプラグインハイブリッド自動車が備える蓄電池を、家庭用電源として利用可能にするシステムの研究開発には各メーカーが取り組んでいるが、実用化はLEAF to Homeが世界初となる。

LEAF to Home 図1 電気自動車リーフと、EVパワーステーション(出典:日産自動車)

 LEAF to Homeは、同社が販売する電気自動車「リーフ」と、ニチコンが開発した「EVパワーステーション」(図2)で構成するシステム。EVパワーステーションはEV向け充電器に、EVの蓄電池が貯めている電力を住宅に流す機能を付け加えたもの。充電コネクターは日本で標準となっているCHAdeMO方式に準拠する。リーフの場合、通常充電では満充電までに8時間程度かかるが、EVパワーステーションを使うとその半分の4時間程度で充電できるという。

EV Power Station 図2 EVパワーステーション。大きさは家庭用エアコンの室外機程度。電気自動車から電力を取り出すだけでなく、電気自動車に倍速で充電する機能も備える(出典:ニチコン)

タイマーを活用して、自動ピークシフト

 リーフが搭載している蓄電池を家庭用電源として利用するには、EVパワーステーションを住宅の分電盤に接続し、EVパワーステーションが備える充電コネクターをリーフの急速充電ポートへ接続する。すでにリーフを購入したユーザーもEVパワーステーションを追加購入することで、システムを利用できる。

 EVパワーステーションには、タイマーを利用して各種機能を制御できるという特長がある。例えば、充電開始時間を深夜に設定しておけば、安価な夜間電力を利用できる。さらに、住宅への給電元を電力会社からの系統から電気自動車に切り替える時間も設定できる。この機能を利用すれば、昼間のピーク時間帯に電力会社からの電力を使わずに済ませる、いわゆるピークシフトが可能になる。

大容量の蓄電池は停電時の備えにもなる

 電気自動車が貯めている電力は停電時の備えにもなる。リーフが搭載する蓄電池の蓄電容量は24kWh。一方、住宅向けの据え付け型リチウムイオン蓄電池の蓄電容量は多いものでも5〜7kWh。リーフの蓄電容量は産業用の大型蓄電システム並みと言える。満充電時なら一般家庭が必要とする電力を、およそ2日間にわたって供給できる。

補助金を利用すれば330,000円で購入できる

 ニチコンによると、EVパワーステーションは経済産業省が実施している電気自動車充電設備向けの補助金制度の対象となる見込みだ。日産自動車は、補助金を利用すればEVパワーステーション購入時にユーザーが負担する額は330,000円(税込み)になる予定だとしている。

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