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» 2012年08月13日 13時17分 UPDATE

サマーセミナー/電力の基礎知識(1):電力を表す基本単位「kW」と「kWh」

今週は夏休みをとられている読者も多いことだろう。時間があるときに読んでいただけるように、電力に関する基礎的なことを5日間で整理してみたい。1日目は電気料金の単価をはじめ電力関連では頻繁に使われる基本単位の「kW」と「kWh」についてまとめてみた。

[石田雅也,スマートジャパン]

 電力会社の電気料金表を見ると、「基本料金」と「電力量料金」の2本立てになっているのが一般的だ(図1)。基本料金の単価は「kW(キロワット)」、電力量料金の単価は「kWh(キロワット時)」で示されている。

toden_tanka.jpg 図1 電気料金の単価表の例。出典:東京電力

 この似て非なる2つの単位は、電力に関するさまざまなトピックで頻繁に登場する。例えば太陽光発電システムの性能はkWで表す一方、蓄電池システムの性能はkWhで表す。

 最後に「h」が付くだけの違いだが、この2つの単位の意味を正しく理解することは、節電対策を考える上でも重要になる。

電気製品の消費電力はWが基本

 電力の単位である「W(ワット)」は瞬間的に使われる電気の量を表す。小学校の理科の授業で習うことだが、電気の流れる量(=電流)と強さ(=電圧)を掛け合わせたものだ。

 電力(W)=電流(A)×電圧(V)

 電気機器のカタログなどに記載されている「消費電力」は、この式で計算できる電力のことで、機器が動作するために必要とする電気の瞬間的な量を示している。

 ちなみに家庭で使える電力の上限はブレーカ(遮断器)の仕組みによって電流の大きさで決められている。例えば30A(アンペア)で契約している場合には、家庭の電力は電圧が100V(ボルト)で供給されるので、通常は3000Wまで電力を使うことができる。

 一瞬でも3000Wを超える状態になると、ブレーカが落ちる仕組みになっている。消費電力が1500Wのエアコンと1200Wの電子レンジと600Wのドライヤを同時に使ったりすると、即座にブレーカが落ちてしまう。

節電対策ではkWとkWhの両方を減らす

 このように電力の単位であるW(ワット)は瞬間に使われる電気の大きさを示すもので、通常は1000Wを基本単位にしてkW(キロワット)で表す。電力会社が「でんき予報」の中で公表している1日の最大供給力もkWで示している。

 これに対して、一定の時間に使われた電力の総量を示す場合の単位がkWh(キロワット時)である。「電力量」と表現することが多い。瞬間の電気の大きさである電力を積み上げたものが電力量になる(図2)。

powergraph1.jpg 図2 電力と電力量の関係。電力を一定時間にわたって積算したものが電力量

 節電対策を考えるうえで重要な課題のひとつは電力使用量のピークを抑えることだが、そのためには常に最大電力(kW)を小さくする必要がある。一方、電気料金を低く抑えることも節電対策の重要なポイントで、料金の大半を占める月間の電力量(kWh)を少なくする。以上の2つの対策を両立できることが節電の基本になる。kWとkWhの両方を意識した節電対策が求められる理由である。

セミナー2日目:電力の世界を二分する「直流」と「交流」

セミナー3日目:電力の供給源になる「発電」と「蓄電」」

セミナー4日目:電力ネットワークの役割は「送電」と「配電」

セミナー5日目:電力市場を変える「電気事業者」と「自由化」

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