停電時も起動可能、家庭用ガスエンジンコージェネ蓄電・発電機器

家庭向けコージェネレーションシステムといえば、燃料電池を利用する「エネファーム」が有名だが、ガスでエンジンを動作させて発電する方式のものもある。本田技研工業は停電時も手動操作で起動できるようにした製品を開発した。

» 2012年09月26日 15時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 本田技研工業は家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム「エコウィル」の新製品として、停電時に手動で起動し、継続利用が可能な機種を開発した(図1)。2011年11月からガス事業者に供給を始める。

図1 本田技研工業が開発した家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステムの新製品。停電時も利用できる

 ガスエンジンコージェネレーションシステムとは、ガスを燃料としてエンジンを動作させて発電しながら、エンジンが発する熱も利用するシステム(図2)。熱は貯湯槽に貯めた水の加熱に利用する。この水は台所や浴室などで利用できるほか、床暖房にも利用できる。現在入手できる最新製品の本体価格は87万円程度、エネファームと比較すると本体価格が安いという特長がある。

図2 家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステムの仕組み

 エコウィルはエネルギーの有効活用に役立つ機器だが、停電時には動作しないという欠点があった。今回本田技研工業が開発した製品は、停電したら貯湯槽の電源プラグを差し替えて、発電モードを自立モードに切り替え、始動グリップを握って引っ張れば起動する(図3)。

図3 停電時の再起動手順

 エコウィルは停電時には最大で980Wの電力を供給できる。ただし、停電時は自立運転専用コンセントにしか電力が流れない。エコウィルは通常、お湯を沸かすなど熱を利用するときに起動して発電するが、自立運転時は貯湯槽に貯まった水の加熱、浴室暖房乾燥機の運転、浴槽への湯張りといった作業を続けることで、運転を継続する。

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