災害時の電力消費を最適制御、避難施設に向けた管理システムエネルギー管理

地震や台風といった災害時には、体育館や公民館といった公的な施設が避難場所になることが多い。避難場所となりうる施設は、停電などのトラブルに耐えられるように準備する必要がある。安川電機は、発電装置の稼働状況を見ながら、供給する電力量を管理するエネルギー管理システムを開発した。

» 2012年09月27日 13時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 安川電機が開発したエネルギー管理システムは「スマートシェルター」と呼ぶ。体育館など、避難場所となりうる施設に向けたシステムだ。通常時は太陽光発電システムや風力発電システムといった発電装置からの電力を利用することで、電力会社からの受電量を抑えられる。据置型蓄電池を用意すれば、あらかじめ決めたスケジュールに従って蓄電池からの電力を利用するようにすることでピークシフトが可能になる(図1)。

図1 エネルギー管理システム「スマートシェルター」を導入した避難施設の全体像。非常時においては、発電機器の発電状況や蓄電池の充電残量などを計算して、使用できる電力を制限する

 災害時は据置型蓄電池や、自動車の電源を利用する「Vehicle to Home(V2H)」から得られる電力の残量を監視し、使用できる電力を制限する。蓄電池に太陽光発電システムや風力発電システムといった発電機器から充電することで1週間以上電力を供給できる。

 電力会社からの節電要請を受けて、使用できる電力を制限する機能もある。この時は、発電設備の発電状況を計算に入れて使用できる電力を決定する。

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