16年間未利用の土地をメガソーラーで有効活用自然エネルギー

NTTファシリティーズはサントリーグループが広島県廿日市市に保有している土地を賃借して大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する。サントリーの工場があった場所だが、工場が1996年に休止してから有効な用途が決まらず、16年間未利用だった土地だ。

» 2012年11月02日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 メガソーラーの建設予定地は広島県廿日市市丸石2丁目6番。瀬戸内海に面した埋立地だ。かつてはサントリーの宮島工場があったが1996年に工場の操業が止まり、以降16年間にわたって未利用のままだった。メガソーラー建設の実績を持つNTTファシリティーズと、未利用地を自然環境保護に役立てたいと考えるサントリーグループの考えが一致し、メガソーラー建設に至った。

 土地の賃貸借契約はすでに2012年10月中に締結しており、11月中に工事を始める。稼働開始は2013年3月末の予定だ。

 建設予定地の広さはおよそ5万m2。工場跡地の大部分を利用する。ここにパナソニック製の多結晶太陽光発電パネルをおよそ8800枚設置する。最大出力は約2.15MW(2150kW)(図1)。

図1 NTTファシリティーズが広島県廿日市市に建設するメガソーラーの完成予想図

 設置工事ではNTTファシリティーズとLIXILが共同で開発した架台「FIT SOLAR」を利用する。V字形の支柱を動かすことで容易に高さ調節ができ、組立も簡単なため、工期を短縮できるという(図2)。さらに、架台を構成する部材数が少ないため、軽量で安価だという特長もある。今回のメガソーラーではこの架台を利用して、太陽光発電パネルに15°の角度を付けて設置する。

図2 NTTファシリティーズがLIXILと共同開発した架台。V字形の支柱を動かすことで高さを調節できる

 NTTファシリティーズ独自の監視システムも投入する。このシステムはストリング(複数の太陽光発電パネルを直列で接続したもの)や接続箱、パワーコンディショナーといった単位で発電量を監視するもの。発電量は遠隔地から監視できるため、定期的に太陽光発電システムを見まわる必要はなく、発電量が急に下がったなどの異常が発生したときにメンテナンス要員を派遣するだけで済む。

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