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» 2012年11月21日 11時00分 UPDATE

省エネ機器:夏の試験で能力は実証済み、ピークシフト型自販機を全国に設置へ

日本コカ・コーラは、日中に冷却運転を停止しても飲料の冷たさを保持できる「ピークシフト自販機」を2013年1月から全国に設置していくことを明らかにした。今夏の試験では、日中の消費電力を95%も削減できたという自販機が全国に広がっていく。

[笹田仁,スマートジャパン]

 「ピークシフト自販機」は、日本コカ・コーラが富士電機とその子会社である富士電機リテイルシステムズと共同で開発したもの(図1)。日中に冷却運転を長時間停止させても、飲料の冷たさを保持できる。夜間に飲料を冷やしておき、日中は冷却せずに済ませる「ピークシフト」が可能になる。

Coca_Cola_Vending_Machine_1.jpg 図1 日本コカ・コーラが全国に設置を進めることを決めた「ピークシフト自販機」

 今回の本格導入に先立って、日本コカ・コーラはピークシフト自販機の試作品である「A001号機」で試験をしている。試験期間は2012年7月から2カ月間。場所は埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市。最も暑い時期に、猛暑で悪名高い地域で試験を実施したわけだ。

 熊谷市と多治見市に6台ずつ設置して試験をしてみたところ、夜間に飲料を冷却し、昼間は冷却運転を停止させるという運転パターンでも、最長で16時間にわたって冷たい状態で飲料を提供できたという。その結果、日中の消費電力を従来比で95%も削減できた(図2)。

Coca_Cola_Vending_Machine_2.jpg 図2 夏の電力消費量の推移を示すグラフ(上)と、ピークシフト自販機の消費電力量を1時間ごとに表したグラフ。ピークシフト自販機はピーク時間帯に限らず、最長で16時間冷却運転を停止させることができる

 ピークシフト自販機は「全体冷却」「断熱性能の向上」「気密性の向上」という3つの工夫でピークシフトを可能にした。全体冷却とは、収容した飲料全品を夜間に冷却すること。飲料全品を冷却することで、庫内の温度が上がりにくくなる。従来の自動販売機は、販売状況に合わせて収容している製品の一部だけを冷却している。冷却運転を停止させると庫内の温度が上昇し、冷却した飲料もすぐにぬるくなってしまう。

 断熱性能の向上では、断熱材に真空断熱材を採用した。真空断熱材は、従来の自動販売機が断熱材として利用しているウレタンと比較すると、およそ10倍の断熱性能を発揮する。さらに自動販売機の扉の気密性を向上させることで冷気を逃げにくくした。全体冷却と真空断熱材、そして気密性の高い設計の効果で、日中に冷却運転を停止させても、飲料を長時間冷たい状態で維持できるのだ。

 このようにピークシフト自販機は、真夏のピーク時間帯における節電を狙って開発したものだが、日本コカ・コーラの検証によると、冬にもその実力を発揮するという。冬に一部の飲料を加熱するときも、ヒーターが消費する電力を従来の自動販売機と比較して20%抑制できる。飲み物の冷却に使用する電力も合わせて計算すると、冬季には最大で68%の節電が可能になる。

 日本コカ・コーラは、2013年中に全国に2万5000台のピークシフト自販機を設置することを目標としている。

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