JAグループ全体に太陽光を広める、三菱と共同で120MWへ自然エネルギー

農協関連設備の屋根を借り受けて、太陽光発電を進めるプロジェクトが岩手県でいよいよ動き始めた。既に全国80カ所の屋根が利用可能だ。2013年度は合計120MWの設置が可能な屋根を借り受ける計画だ。

» 2013年06月07日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は、三菱商事と共同で、JAグループの屋根を利用した太陽光発電事業に乗り出している。2012年10月には、JA三井リースを加えた3社の合弁でJAMCソーラーエナジーを設立、2013年6月には、岩手県花巻市で太陽光発電所第1号案件の起工式を行った。米倉庫の屋根に設置する。

 「全農岩手県本部 いわて純情米広域集出荷施設発電所」は出力242Wの太陽電池モジュールを3300枚用いる(図1)。出力は799kW、年間発電量744MWhを見込む。2013年9月には東北電力への売電を開始する。メガソーラーではないが、農業施設の屋根設置型としては最大級の規模だという。

図1 岩手県花巻市にある出荷施設の屋根を利用した太陽光発電所。出典:三菱商事

 2012年度中に経済産業省に対して全国約80件の設備認定を申請済みであり、出力は合計30MWに達する。対象はJAグループの物流センターや青果センターなどが中心だ。「地域別では北関東が最も多く、次いで九州」(三菱商事)。

 2013年度は倉庫や畜舎など構造上の強度が低い屋根にも適する取り付け金具を採用することに加えて、農地以外の遊休地を対象とすることで、合計90MWを積み増す計画だ。

 JAMCソーラーエナジーはJAグループの屋根を借り受け、賃貸料を支払う。その屋根の上に太陽光発電所を建設、運営し、電力会社からの売電収益を上げるというビジネスモデルだ(図2)。JAグループから見ると、発電料にかかわらず一定の収入が得られるというメリットがある。

図2 JAグループとJAMCソーラーエナジーの関係。出典:三菱商事

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