太陽光発電向け「屋根貸し」事業者決定、発電規模は合計で約1MW自然エネルギー

神奈川県は県立高校20校の屋根を太陽光発電事業向けに貸し出し、希望する業者を募集していたが、貸し出し先がすべて決まった。20校の合計29棟の建物の屋根にそれぞれの業者が太陽光発電システムを設置すると、合計出力はおよそ1MWとなる見込みだ。

» 2012年12月17日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 神奈川県によると、応募した事業者は5社で、その中から4事業者を選定した。最も多くの建物の屋根を借りることになったのはソフトバンク・グループのSBエナジーだ。

 20校のうち15校、22棟の屋根を賃借し、合計で5587.26m2を使用して太陽光発電システムを設置する。賃借料金は1m2当たり100円、5587.26m2を使用するため、合計で55万8726円の賃借料を神奈川県に支払う。使用する面積が大きい分、発電規模も大きく、合計出力は775.2kWとなる見込み。

 次に多くの屋根を借りるのはPVかながわ。アドバンス、エナリスと共同で事業を進める計画だ。PV神奈川は3校、4棟の屋根を賃借する。使用面積は合計で988m2。賃借料金は1m2当たり250円、合計で年間に24万7000円の賃借料を支払う。発電規模は合計96.96kWだ。

 大洋建設は1校、1棟の屋根を借りる。使用面積は345m2で、賃借料金は1m2当たり250円だ。年間の賃借料は8万6250円となる。発電規模は49.92kW。

 町田ガスは1校、2棟の屋根を借りるが、使用面積は最も小さく、318m2だ。賃借料は、応募した業者の中で最も高い1m2当たり500円を提示した。年間で15万9000円の賃借料を支払う予定。発電規模は49.68kW。4社の発電規模を合計すると971.76kWとなり、大体1MWという規模になる。

 4社の1m2当たりの賃借料には大きな差があるが、これは神奈川県が事業計画に織り込むことを求めた「県立学校の教育環境に資する提案」、で差が付いたと考えられる。提案内容を見ると、LED照明の導入や学校の設備修繕に協力するという内容から、発電量を見せる機器を設置するという内容、学生にタブレット端末を配布して、教育を支援するといった内容が並んでいる。

 20校合計29棟の建物を賃借する業者と、それぞれの発電規模、賃借料は図1の通り。

図1 20校合計29棟の建物を賃借する業者などをまとめた表。屋根面積は屋根全体の面積であり、業者が使用する面積とは異なる

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