太陽光発電で1kWの損失も見逃さない、メガソーラーの監視装置蓄電・発電機器

全国各地でメガソーラーが急増しているが、最大の課題は安定稼働を続けることにある。屋外に設置する何千枚もの太陽電池パネルには不具合を発生する可能性が大きく、発電量の低下を監視する仕組みが必要だ。多数の太陽電池パネルの発電量を一括に監視できる装置が発売された。

» 2013年08月21日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 太陽光発電設備の監視ユニット。出典:富士電機

 メガソーラーなどで利用する太陽電池パネルの稼働状態を監視する方法は何通りかある。そのうちのひとつが、複数のパネルで構成する「ストリング」の単位で発電量の変化を測定する方法だ。富士電機グループが発売した「PVストリング監視ユニット」は1台で最大12ストリングの発電量を測定することができる(図1)。

 一般に発電能力が1MW(メガワット)のメガソーラーは200程度のストリングで構成する場合が多い。1つのストリングあたりの発電能力は5kWになり、太陽電池パネルの故障によって0.5〜1kW程度の能力低下が生じることを想定する必要がある。もし1kWの低下を見過ごして1年間が経過してしまうと、年間に約1000kWhの発電量を失うことになる。200ストリングあれば最大20万kWhになり、多額の売電収入を損失しかねない。

 PVストリング監視ユニットは太陽電池パネルからの電力を集約する接続箱の中に設置して利用する(図2)。最大12のストリングと接続して、一定間隔で電流と電圧を測定することにより、各ストリングの発電量を監視することができる。

図2 ストリング単位の発電量を監視するシステム。出典:富士電機

 計測できる電流の大きさはストリング単位で直流1〜10アンペア、電圧はストリング共通で100〜1000ボルトの範囲になる。ストリングごとの発電量を過去の最大値・最小値・平均値と比較する機能もある。

 監視ユニットの価格は12万円で、工事費は別である。1MWのメガソーラーで15〜20台程度の監視ユニットが必要になる。複数の監視ユニットで計測したデータとパワーコンディショナーの稼働状況を統合的に監視できるソフトウエアも10月から提供する予定だ。

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