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» 2013年10月15日 13時00分 UPDATE

スマートシティ:再生可能エネルギーの賦課金を取り戻せ、広島県が直営のメガソーラーを展開

固定価格買取制度の開始に伴って、電力会社は事業者から買い取った電力のコストを「賦課金」として毎月の電気料金に上乗せしている。広島県は県民が負担する賦課金の一部をメガソーラーからの収益でカバーすることによって、賦課金の影響を抑制する試みを開始した。

[石田雅也,スマートジャパン]

 広島県と中国電力グループが共同出資で建設を進めてきた「庄原太陽光発電所」が10月10日に運転を開始した(図1)。庄原市にある3万平方メートルの県有地に約1万枚の太陽光パネルを設置して、最大2.5MW(メガワット)の電力を供給することができる。

hiroshima_shoubara_sj.jpg 図1 「庄原太陽光発電所」の所在地と全景。出典:広島県環境県民局

 年間の発電量は254万kWhを想定している。中国電力に売電して、1年間に約1億円、固定価格買取制度を適用できる20年間の合計で約20億円の収入を得られる見込みだ。初期投資額は7億円で、このほかに運転維持費などがかかる。20年間の利益は5億円程度になるとみられるが、その大半を地域に還元する。

 広島県では2012年度から「地域還元型再生可能エネルギー導入事業」に乗り出し、第1期として3カ所の県有地にメガソーラーを建設する。1つ目が庄原太陽光発電所で、さらに竹原市と福富町に建設中のメガソーラーを加えて合計で6.6MWになる計画である。

 この事業には広島県が3分の2を出資する一方、中国電力グループも3分の1を出資する(図2)。中国電力グループは工事や維持管理を担当するが、売電による利益のうち3割を地域に還元することになっている。広島県が得る分配金と合わせて、利益の77%が地域に還元される仕組みだ。還元額は第1期のメガソーラーで20年間に約9億円を見込んでいる。

hiroshima_megasolar_sj.jpg 図2 「地域還元型再生可能エネルギー導入事業」の推進体制。出典:広島県環境県民局

 実際の還元方法としては、県民が省エネ家電を購入する際の補助金や、学校などが再生可能エネルギーの設備を導入する際の補助金などの施策を検討中だ。2014年度に入ってから実施する。

 続いて第2期の事業を2014年度に開始して、第1期と合わせて10MWのメガソーラー事業を展開する。地域への還元額は20年間で総額13億円を目標にしている。この目標額は、広島県民が今後20年間にわたって支払う「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の3%に相当する。

 賦課金は電力会社が発電事業者から買い取った再生可能エネルギーのコストを電力の利用者が負担するものである。毎月の電気料金に上乗せされるが、全国で再生可能エネルギーが拡大するのに伴って賦課金も増える見通しだ。広島県民が負担する賦課金の一部をメガソーラーの収益でカバーしながら、再生可能エネルギーの発電設備を県内に広げていく狙いがある。

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