ホンダが超小型の電気自動車、大人2人乗りで80km以上走行可能電気自動車

ホンダが超小型電気自動車の改善を続けている。2013年11月には「MC-β」を発表、大人2人が快適性を損なわず同時に乗車でき、1充電当たり80km以上走行できる。

» 2013年11月21日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ホンダが超小型電気自動車(EV)の改善を続けている。2012年11月に「マイクロコミューター・プロトタイプ」を発表、2013年1月に国土交通省が公道走行を可能とする認定制度を開始すると、2013年7月には車体のデザインなどを変更した「マイクロコミュニティープロトタイプβ」を用いた社会実験を発表。2013年秋から実施する計画を明らかにした。熊本県やさいたま市、沖縄県宮古島市と協力して進める社会実験であり、地域特性に合わせた超小型EVの使い方を探るものだ(関連記事)。

 2013年11月には新しい超小型EV「MC-β(エム・シー・ベータ)」(図1)を発表、国土交通省の新車両区分と欧州L7カテゴリー*1)を視野に入れた車両と位置付けた。2013年7月に発表した社会実験にも順次投入していく。

*1) 二輪の区分の1つであり、走行用蓄電池を除いた重量が400kg以下、出力が15kW以下であることを条件とする。

図1 MC-βの外観。出典:ホンダ

超小型ながら快適性を追求

 超小型EVは、寸法が小さいことを強調しており、車内空間がどの程度確保できているのかが気になる。MC-βは全長2495mm、全幅1280mm、全高1545mmと小さい。ホンダによれば、それでも大人2人が同時に快適に座れる設計を採ったという。具体的には車内空間のうち前方右側に運転席を置き、後部座席は左側に寄せた。オフセット配置と呼ぶ。後部座席の右側には手荷物などを置くことができる。

 走行性能でも超小型を生かした。軽自動車よりも全長が約90cm短いため、最小回転半径が3.3mと小さく、取り回しがよくなった。モーター出力は定格6kW、最大11kWであり、最高速度は70km以上だ。満充電後の最大走行距離は80km以上であり、実用的だ。都市の中心部から出発したとして、半径15〜40km圏内の郊外との間で往復する際に適した車両だという。

 リチウムイオン蓄電池は床下に搭載している。充電時間は100V利用時に7時間以下、200V利用時に3時間以下である。

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