戦後まもない1948年(昭和23年)に開校した中学校が2012年3月に廃校になり、新たに太陽光発電所の役割を果たすことになった。栃木県の那須烏山市にある旧・七合中学校のグラウンドに926kWの発電設備と災害時供給用の蓄電池を導入して運転を開始した。
栃木県の東部にある那須烏山(なすからすやま)市は人口3万人弱の地方都市だが、長年にわたって少しずつ人口が減少している。学校の統廃合を余儀なくされて、5つあった市立中学校のうち2校が廃校になった。そのうちの1つである旧・七合(ななごう)中学校のグラウンドで、新しい太陽光発電所が1月25日に運転を開始した(図1)。
発電能力は926kWあって、メガソーラーに近い規模である。年間の発電量は1000万kWhを見込み、一般家庭で300世帯分の電力に相当する。設置した太陽光パネルの一部(40kW相当)には、両面で受光できる高効率型の製品を採用して、通常のタイプと発電量を比較検証することにしている。
さらに施設内には携帯型の蓄電池(容量75Ah=アンペア時)を10台装備した。太陽光で発電した電力を災害時には地域住民に供給できるようにするためだ。七合中学校の校舎や体育館は現在でも残っていて住民に開放されている。平常時には住民の交流の場として使われる一方、災害時には避難所にもなることから、太陽光発電と蓄電池の組み合わせによる電力供給機能を備えた。
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