職場で電気自動車に充電、日本でも始まる「ワークプレース・チャージング」電気自動車

自動車部品メーカーのカルソニックカンセイが、さいたま市の本社で「ワークプレース・チャージング」を開始した。電気自動車用の充電器を本社ビルの駐車スペースに設置して、従業員や来訪者が業務中に充電することができる。日産自動車が全世界で推進するプロジェクトの国内第1号になる。

» 2014年04月10日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 「ワークプレース・チャージング(Workplace Charging)」は、企業みずからがオフィスや工場などに充電器を設置して電気自動車の利用拡大を図る取り組みである。米国政府が2013年1月から推進している普及プロジェクトには、現在60の企業や自治体が参加している。企業は従業員の福利厚生に生かせるほか、CSR(企業の社会的責任)に対する積極的な姿勢をアピールすることができる。

 日本の企業では日産自動車が参加して、米国内の事業所に500台以上の急速充電器を設置する計画を進めている。このプロジェクトを日本国内でも推進するために、グループ企業のカルソニックカンセイが第1号の導入企業として4月1日からワークプレース・チャージングを開始した(図1)。

図1 「ワークプレース・チャージング」を導入したカルソニックカンセイ本社(さいたま市)。出典:カルソニックカンセイ

 さいたま市にある「研究開発センター・本社」の駐車スペースに設置した充電器は、従業員のほかに来訪者も利用することができる(図2)。この取り組みを皮切りに、今後は日産自動車グループ全体で国内各地の工場や事業所にワークプレース・チャージングを展開していく計画だ。

図2 「研究開発センター・本社」における充電の様子。出典:カルソニックカンセイ

 カルソニックカンセイは空調ユニットをはじめとする自動車用の中核部品を開発・製造している。電気自動車向けでは「日産リーフ」に搭載しているリチウムイオンバッテリーのコントローラなどを供給していることから、ワークプレース・チャージングを通じて電気自動車の市場拡大を図る狙いもある。

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