燃料電池車の実用化で先を走るホンダ、水素ステーションや外部給電を見せる電気自動車

ホンダは本日10月7日から幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2014」の会場で、燃料電池自動車に関連する最先端技術を披露する。注目は世界で初めてパッケージ型に収納した水素ステーションと、燃料電池自動車から外部の建物に電力を供給できる可搬型のインバータボックスである。

» 2014年10月07日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 ホンダがIT(情報技術)とエレクトロニクスの展示会「CEATEC JAPAN 2014」(10月7日〜11日)で燃料電池自動車の実用化に向けた意気込みを見せる。国を挙げて推進する水素社会と自動車の役割をテーマに、「SUISO JAPAN」をコンセプトにしたブースで最先端の技術をアピールする(図1)。

図1 「CEATEC JAPAN 2014」のブースイメージ。出典:ホンダ

 その中でも注目を集めるのは、世界で初めて開発したパッケージ型の「スマート水素ステーション」である。設置面積が7.8平方メートルの小型の水素ステーションで、内部で水と電気から水素を製造することができる。さいたま市に9月に設置したものと同じ実物大のモックアップを会場に展示する。

図2 さいたま市に設置したパッケージ型の「スマート水素ステーション」(左)。出典:ホンダ

 もう1つ水素社会の実現に向けて重要な技術が、燃料電池自動車で発電した電力を外部に供給できる「可搬型インバータボックス」である。走行するために水素と酸素から電力を作る燃料電池自動車の発電能力を、家庭やオフィスビルなどでも利用可能にする装置だ。

 すでに2月から北九州市で実証実験を進めていて、最大出力9kWの電力を100Vと200Vの交流で供給できることを実証している(図3)。1台の燃料電池自動車から一般家庭の6日分に相当する60kWh程度を供給することが可能で、標準的な電気自動車と比べて約3倍の電力量になる。

図3 北九州市で実証中の外部給電の様子。車両の後部にある装置が「可搬型インバータボックス」。出典:ホンダ

 ホンダはトヨタ自動車に続いて2015年内に燃料電池自動車を発売する予定である(図4)。車両本体の市場投入ではトヨタに後れをとるものの、燃料電池自動車を利用するための環境整備の面では先を走る。

図4 2015年に発売予定の燃料電池自動車のコンセプトカー「Honda FCEV CONCEPT」(左)と搭載する燃料電池(右)。出典:ホンダ

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