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» 2015年05月29日 15時00分 UPDATE

自然エネルギー:地熱の宝庫・指宿で発電プロジェクト、市有地で調査開始

九州で最も南にある温泉地として有名な鹿児島県の指宿市で「地熱の恵み活用プロジェクト」が始まる。市有地に地熱発電所を建設するほか、発電後の熱水を温泉施設や老人福祉センターで利用できるようにする。2016年度までに調査を完了して、2018年度に発電を開始する計画だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 地熱資源の豊富な指宿市(いぶすきし)が地域の活性化を目指して、「指宿市『地熱の恵み』活用プロジェクト」に乗り出した。東シナ海に面した2カ所の市有地で地熱発電所の建設を推進する(図1)。発電事業者を公募した結果、九州電力と地元のスポーツクラブによる共同提案を採択した。

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ibusuki2_sj.jpg 図1 「指宿市『地熱の恵み』活用プロジェクト」の対象施設。出典:九州電力、セイカスポーツセンター

 プロジェクトの候補地は温泉施設の「ヘルシーランド」と「山川老人福祉センター」である。このうちヘルシーランドには発電能力が2MW(メガワット)クラスの発電設備を建設する想定だ。九州電力などは6月にも地表調査を開始して、2016年度に掘削調査で地熱の資源量を把握する。2017年度から発電所の建設を進めて、2018年度の半ばをめどに運転を開始する計画である。

 掘削調査の結果をもとにヘルシーランドの発電規模を決めるが、可能であれば山川老人福祉センターにも発電所を建設したい考えだ。2カ所の施設では発電に利用した後の熱水を施設内で利用することも検討する。国の補助金を利用できるように、熱水を活用する設備は発電所の運転開始よりも前の2017年度中に導入する方針である。

 指宿市は薩摩半島の南端に位置して、市内には活火山の「開聞岳(かいもんだけ)」がある。指宿市を含む薩摩半島の南部(南薩)は鹿児島県の中でも地熱発電のポテンシャルが大きく、霧島連山を有する県北部の「姶良・伊佐(あいら・いさ)」と並ぶ日本でも有数の地熱資源の宝庫だ(図2)。

ibusuki3_sj.jpg 図2 鹿児島県の地域別の再生可能エネルギー利用可能量。出典:鹿児島県企画部

 新たに開発プロジェクトを実施する2カ所の施設から北へ1キロメートルの場所には、地熱発電所としては九州で2番目に大きい「山川発電所」(発電能力30MW)が1995年から運転中だ。山川発電所の構内では、発電後に温度が低くなった蒸気を再利用して、バイナリー方式による小規模の地熱発電設備も2012年に稼働している(図3)。新プロジェクトでも掘削調査で確認できる蒸気の温度によってバイナリー方式を採用する。

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ibusuki4_sj.jpg 図3 「山川発電所」の全景と所在地(上)、バイナリー発電設備(下)。出典:九州電力

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