ニュース
» 2015年06月09日 15時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:短期間で経済的に静岡県内の水力発電所を増強、リパワリング工事で出力200kW増

既存の発電設備を改良することで、短期間かつ経済的に出力を増強できる「リパワリング工事」。東京電力のグループ会社である東京発電はこの手法を活用して、静岡県内の水力発電設備の出力増強を進めている。

[長町基,スマートジャパン]

 東京電力のグループ会社である東京発電は白田川発電所(静岡県東伊豆町)の出力をリパワリング工事により3100kW(キロワット)に増出力し、このほど営業運転を再開した。同発電所は2級河川である白田川水系の白田川や川久保川から毎秒2.07立方メートルを取水し、約180メートルの落差を利用して最大2900kWを発電していた。

 平成26年8月に着手したリパワリング工事では、それまで利用していた単輪二射ペルトン水車3台を、より効率の高い二輪四射二連ペルトン水車1台に交換している。さらに、制御装置、変電設備、水圧管路の一部、発電所建物も取り換えており、同取水量・落差のままで200kWの出力アップを図った(図1)。

rk_150608_tokyo01.jpg 図1 白田川発電所内のリパワリング前(左)と後(右)の水車発電機 出典:東京発電

 発電電力量は年間約1600万kWh(キロワット時)で、これは一般家庭で約4850世帯分の年間使用量に相当する。また水車発電機3台を1台にしたことで、巡視・点検などのメンテナンス面の省力化にもつながっている。白田川発電所で発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度により売電する。

 今回のパワリング工事は、2015年3月に出力を1600kWに増強して運転を再開した深良川第二発電所に続いて静岡県内では2件目の事例となる。今回の白田川発電所の工事により、東京発電が関東甲信越地域に保有する合計73カ所の水力発電所の総出力は、18万5200kWとなった。

 東京発電では平成27〜31年度までに、設備認定済みの10カ所の発電所で同様のリパワリング工事を行う計画だ。そのうち静岡県内では、平成28年に白糸発電所(富士宮市)、向原発電所(伊豆市)、梅木発電所(伊豆市)、平成29年に深良川第一発電所(裾野市)の4件を計画している。リパワリング工事は新たに発電所を建設するのに比べ、既存施設を活用できることから短期間で経済的に出力の増強が図れるなどのメリットがある。

 東京発電はこの水力発電事業に加えて火力発電受託事業、新エネルギー事業を3つの柱に事業を展開している。このうち新エネルギー事業では、これまで培ってきた水力発電所の建設・運用の技術とノウハウを活用して、マイクロ水力発電所の開発・運営や廃止された水力発電所の再生にも取り組んできた。さらに風力発電所の運転・保守などへも業務を拡大しており、再生可能エネルギーの普及促進とともに電力の安定供給を目指している。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.