走る水素ステーションが神奈川へ、遅れる普及に現実解としての「移動式」蓄電・発電機器(1/2 ページ)

神奈川県川崎市、相模原市、横浜市の3つの市で、移動式水素ステーションによる水素提供が始まる。JX日鉱日石エネルギーが提供する水素供給設備を搭載した大型トラックを利用するのが特徴だ。コスト課題が影響し普及の遅れが指摘される水素ステーションだが、定置式より設置費用が抑えられる移動式ステーションの採用は増えていきそうだ。

» 2015年11月17日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 JX日鉱エネルギーは神奈川県の3つの自治体と協力して、トラック型の移動式水素ステーションを利用した水素販売を開始する(図1)。同社は全国で約40カ所に水素ステーションを整備することを目標に普及を進めているが、移動式水素ステーションの導入は今回が初となる。

図1 川崎市の「川崎マリエン」に配置するトラック型の移動式水素ステーション 出典:JX日鉱エネルギー

 今回トラック型の移動式水素ステーションを整備するのは、川崎市の「川崎マリエン 水素ステーション」、相模原市の「相模原中央 水素ステーション」、横浜市の「横浜大さん橋 水素ステーション」の3カ所。

 この3カ所をJX日鉱日石エネルギーが提供する2台のトラック型の移動式水素ステーションが巡回し、各地で1週間に数回ずつ水素の販売を行う仕組みだ。横浜大さん橋では2015年11月13日から、川崎マリエンと相模原中央では同年11月17日から運用を開始する(図2)。

図2 今回開設する3カ所の水素ステーションの概要 出典:JX日鉱エネルギー

 巡回する移動式水素ステーションは25トントラックを利用したもので、外形寸法は長さ約12×幅約2.5×高さ約3.8メートル。水素の充填圧力は70MPa(メガパスカル)で、燃料電池車(FCV)1台当たり約3分で充填できる。充填台数は水素ステーション1台につき、FCV換算で約3台までだ。

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