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» 2016年08月31日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:光合成する「人工の葉」、絹タンパク質に葉緑体を取り込む (1/2)

エネルギー・環境分野において“植物の葉”が実現する「光合成」は夢の技術といえる。人工的に光合成を実現する「人工光合成」技術などに注目が集まるが、英国で“天然”光合成を人工的に実現できる技術が開発されている。

[三島一孝,スマートジャパン]

 「光合成」は、植物がエネルギーを生み出す仕組みで、二酸化炭素と水に光エネルギーを加えることで、酸素とエネルギー(炭水化物)を生み出すというものである。地球温暖化対策としても、再生可能エネルギーとしても、この仕組みを人工的に生み出すことへの関心は高く「人工光合成」技術の開発は各所で行われている(関連記事)。

 「人工光合成」技術は、光に反応する触媒などの人工物を使って光合成の現象を再現しようというものだが、全く異なるアプローチで開発されたのが、今回の“人工の葉”を実現する技術である。ロンドンを拠点とする、デザインエンジニアであり、生物工学研究者および起業家であるジュリアン・メルキオーリ(Julian Melchiorri)氏は、絹素材に植物の葉緑体を定着させ光合成を行える“人工の葉”である「Silk Leaf(シルクリーフ)」を開発した(図1)。

photo 図1 「Silk Leaf(シルクリーフ)」の外観(クリックで拡大)出典:Julian Melchiorri

光合成をそのまま再現する「シルクリーフ」

 「シルクリーフ」は、絹のタンパク質と葉緑体などの生体物質で構成されている。絹のタンパク質内部に葉緑体を取り込み、光合成能力を維持したまま安定化する。これにより、シルクリーフ内の葉緑体が光合成を行うことで、二酸化炭素を吸収し酸素を発生させる。光合成には、自然の植物と同様に、可視光と水が必要とされる(図2)。

photo 図2 シルクリーフの中心素材の1つは絹のタンパク質である(クリックで拡大)出典:Julian Melchiorri

 葉緑体への水の提供には、自然の葉の機能を参考にした、独自の技術を組み込んでいる。水はまた、光合成により生まれる残留化学物や糖分をろ過により除去するためにも活用可能だとしている。シルクリーフの酸素発生レベルは、絹タンパク質内の葉緑体の量や材料組成などにより最適化。これらの発生効率についてはさらなる改善が見込めるという(図3)。

photo 図3 シルクリーフの開発の様子(クリックで拡大)出典:Julian Melchiorri
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