特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2016年09月27日 11時00分 UPDATE

省エネ機器:エネルギーが無駄に捨てられている世界、IoTが解決する4つの課題 (1/3)

フランスのシュナイダーエレクトリックは、ユーザーイベント「Life Is On Innovation Summit」を開催し、エネルギー供給の面から見て現在の世界は全ての面において非効率であることを強調。IoTにより全ての領域で革新を起こし効率化を実現していく重要性を訴えた。

[三島一孝,スマートジャパン]

 フランスのSchneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は2016年9月26日、シンガポールにおいて、アジア初となる業界横断型のユーザーイベント「Life Is On Innovation Summit」を開催し、同社の戦略やビジョンについて語った。本稿では基調講演に登壇したシュナイダーエレクトリック CEO(最高経営責任者)兼会長のジャン-パスカル・トリコア(Jean-Pascal Tricoire)氏が語ったIoTを活用した新たなエネルギー社会のビジョンと同社がIoTに取り組む意味について紹介する。

エネルギーとオートメーションの総合企業

 シュナイダーエレクトリックといえば、日本ではデータセンター向けのエネルギーソリューションや無停電電源装置(UPS)などの印象が強いが、海外では再生可能エネルギーおよび電力会社向けの各種装置などエネルギー全般を対象とした機器やソリューションを提供。これらに必要な制御技術を水平展開しており、ビル制御や工場用のライン制御などで高い存在感を示している。

 実際にグローバルの売上高比率で見た場合、日本で高い存在感を示すデータセンター向けのソリューションは14%にとどまっている。最も高い売上高比率を誇るのがBEMS(ビルディングエネルギーマネジメントシステム)などを含むビル制御関連で45%を占めている。次いで、工場向けのラインコントローラーや電源系機器などを提供している産業領域が21%、インフラ領域が20%を占めている(図1)。

photo 図1 シュナイダーエレクトリックのグローバルでの売上高比率(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

IoTの変わった点と変わらない点

photo シュナイダーエレクトリック CEO兼会長のジャン-パスカル・トリコア氏

 こうした中でシュナイダーエレクトリックでは、IoTにおけるパラダイムシフトについて強調。エネルギー産業における4つのメガトレンドに対応する価値をIoTが生み出す点を指摘する。

 トリコア氏は「シュナイダーエレクトリックにとってIoTは決して新しいものではなく既に20年前から実現するための取り組みを進めてきている。当時はオンプレミスの環境で機器をインターネットで接続し情報を取り出す形だったが、目指したユーザー価値の根幹は現在と変わらない。しかし、現在のIoTの動きがここまで注目されるのは、技術の進化やコストの低下などにより生み出されるビジネスインパクトが膨大なものへと変化したからだ」と述べる。

 エネルギー産業そのものを見てみると、現在は大きな変化に立たされているといえる。背景として都市化やデジタル化、産業化が進むことで、エネルギー消費は今後40年間で1.5倍以上になると見られている。一方で今後増える人口の中で半分以上が電力供給を得られない状況だという。さらに地球温暖化対策に対しては、現在排出されている炭素の量を3分の1以下にしないといけない資産が出ており、「あらゆるレベルでイノベーションが求められている」とトリコア氏は話している(図2)。

photo 図2 40年後に向けて取り組む必要がある3つの課題(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック
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