狙うは太陽光の自家消費、ハンファQセルズが住宅向け新モジュール太陽光(1/2 ページ)

太陽光パネルメーカーのハンファQセルズジャパンは、住宅向け太陽電池モジュールの新製品を2017年2月から販売する。効率を高めた新製品を投入し、売電から自家消費にシフトすると見られる、国内の住宅太陽光市場でシェア拡大を目指す方針だ。

» 2017年01月26日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 太陽光パネルメーカーのハンファQセルズジャパンは2017年1月25日、東京都内で会見を開き、住宅向け太陽電池モジュールの新製品を2月から販売すると発表した。効率や発電量を高めた新製品を投入し、売電から自家消費にシフトすると見られる、国内の住宅太陽光市場でシェア拡大を目指す方針だ。

 今回発表した新製品は3種類で、単結晶のPERC(Passivated Emitter and Rear Cell)構造。1つ目が住宅向けの主力製品となる60セルの「Q.PEAK-G4.1」シリーズだ。外形寸法は1000×1670×32mm(ミリメートル)、出力は300W(ワット)で、モジュール変換効率は18.0%、1枚当たりの重量は18.8kg(キログラム)、希望小売価格は税別18万9000円。

 2つ目がより小型のモデルで48セルの「Q.PEAK S-G4.1」だ。外形寸法は1000×1348×32mmで、出力240W、モジュール変換効率は17.8%、重量は15kg、希望小売価格は税別15万3600円。どちらの製品も従来モデルと比較して出力を109%高めたという(図1)。3つ目は景観対応向けでバックシートを黒色にしたモデルの「Q.PEAK BLK-G4.1」である。こちらは60セル、出力290Wで受注生産となる。価格は税別で18万2700円。

図1 発表した新製品と、左からハンファQセルズジャパンの東 執行役員、金 代表取締役社長、ハンファQセルズ テクニカル・マーケティング・サポート統括のシュラーデ氏(クリックで拡大)

 日本国内の太陽光発電の買い取り価格は下がりつつある。2017年度の住宅用の買い取り価格は前年度から3円減の28円となる見込みだ。こうした環境変化により、住宅用太陽光の利用目的は、これまでの売電を目的とした発電から、自家消費へとシフトしていくと見られる。

 同社 エネルギー事業本部 PVシステム事業部 執行役員 事業部長の東洋一氏は「自家消費への動きに対し、パネルメーカーが貢献できるのは、より性能が高く、さらにコストメリットの高い製品を提供すること。これにより、住宅用太陽光のトータルコストを下げられるようにしていくことが必要になる。今回の新製品はこうした背景に沿って開発し、市場投入するものだ」と述べる。

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