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» 2017年02月16日 09時00分 UPDATE

3分で分かるこれからの電力業界(7):電力×コミュニティー―ファン囲い込み&コラボ型電力プラン (1/3)

「電力小売業界」への就職・転職を目指す方に、急速に変化・多様化する業界動向を分かりやすく解説。今回はスポーツや音楽など一定のファンや顧客を持つエンタメコンテンツとコラボした“企画型”電力プランで新たな顧客を獲得していく「電力×コミュニティー」にフォーカスする。

[江田健二,スマートジャパン]

トレンドワード「電力×コミュニティー」

エンタメ、スポーツが大好きで、企画力を発揮したいならこの分野で勝負!


スポーツやエンタメとコラボした電力プランが続々登場

 電力自由化により、電力プランは爆発的に増加し多様性も生まれました。しかし、いくら魅力的なプランがあっても、そもそも電力会社選びに全く関心がない層には、その価値が響きづらいです。そうした層に対して積極的に電力販売を行うために、電力とは全く別のジャンルからファンを取り込む(囲い込む)プランが生まれてきています。別のジャンルとは、スポーツや音楽、アニメといったエンターテインメント分野など。既に一定のファンや顧客を持つエンタメコンテンツとコラボレーション(提携)した“企画型”電力プランなどによって、新たな顧客を獲得しようというマーケティング手法です。

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 電力会社とスポーツやエンタメコンテンツがコラボしている例としては、プロ野球の広島東洋カープを応援する中国電力の「カープ応援メニュー」、プロサッカーの水戸ホーリーホックとコラボしたプランを提供する水戸電力の「水戸ホーリーホック応援プラン」、アニメ制作会社スタジオジブリとコラボした丸紅新電力の料金メニュー「プランG」などがあります。

 スポーツやアニメといったジャンルは、企業にとって非常に分かりやすい魅力的なコンテンツが豊富に存在します。また既にセグメントされたターゲット層を持っており、その高い購買力にも期待できます。そうした既存のブランド力を活用した多様な電力プランが生まれることも、電力自由化の魅力の一つと言えるでしょう。

地域コミュニティー応援型プランも

 電力とは別のジャンルから顧客を取り込むという観点では、地域コミュニティーの力を利用するのも非常に有効です。例えば、電力の調達先が地域内の発電所である場合は、地域内に雇用を生み経済を地域内で循環させることができます。発電所の運営にも人手が要るので新たな雇用が生まれますし、本来地域外の電力会社に流出する資金(電気料金)に関しても、地域の電力会社が受け取ります。

 また電力の販売で得た利益を地域に還元することにより、地域活性化を目指すような仕組みも考えられます。こうした流れが生まれた結果、自分の住む地域やコミュニティーに愛着のある顧客層は、地域の活性化を期待して特定の地域を応援する電力プランに加入してくれる可能性が高まるのです。

 電力自由化により、電力とは直接関係のないスポーツ、エンタメ分野のファン層や、地域・コミュニティーの持つ価値や力を組み合わせたビジネスを展開できる時代に突入しています。今後も電力事業が洗練されていくに従い、新しい魅力を持った電気料金プランが生まれていくことが期待されます。

 地域特化型エネルギー事業については、「トレンドワード:電力×地域・地方」のパートで詳しく解説していますので、そちらも合わせて読んでいただくと、「地域」をベースにした電力事業の全体像がより明確に見えてくると思います。

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