ため池に浮かぶ9500枚の太陽光パネル、290万kWhを発電太陽光

未利用のため池を活用した水上メガソーラーが広がっている。三井住友建設は香川県で新たに自社開発のフロートを利用した水上メガソーラーの建設に着手した。総出力は2600kWで、年間発電量は約290万kWを見込んでいる。

» 2017年06月22日 15時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 三井住友建設は2017年6月、香川県木田郡で農業用ため池を利用した水上メガソーラーの建設に着手したと発表した。自社開発のフロートを利用した水上メガソーラーで、発電所の施工はSMCテックが担当。2017年11月から営業運転を開始する予定だ。

5月26日に開かれた安全祈願祭の様子 出典:三井住友建設

 この水上メガソーラーでは、ため池の水面に約9500枚の太陽光パネルを設置する。総出力は2600kWで、年間発電量は約290万kWh(キロワット時)を見込む。

 三井住友建設は2015年に太陽光パネルを水面に浮かべるフロートシステムを開発しており、今回の水上メガソーラーにも導入した。太陽光パネルを装着するフロート、フロートを連結する連結板(ブリッジ)、フロートと連結板を固定する緊結バンドで構成するシステムだ。太陽光パネルはフロートごとに1枚ずつ取り付ける設計となっている。

フロートシステムのイメージ 出典:三井住友建設

 部品点数を削減してコストを削減した他、フロート内部に発泡剤を充填(てん)することでフロートに損傷が生じた場合でも浸水を防ぎ、水没を回避する構造を採用している。複数メーカーの太陽光パネルが設置可能だという。

 外販も開始しており、施工中を含め、これまでに国内で4件、海外で2件の採用実績がある。水上での太陽光発電は日射を遮るような障害物が少なく、太陽光パネルの冷却効果が得られるなどのメリットがあり、陸上よりも高い発電量が期待できるとしている。

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