日産リーフのバッテリーを再利用、産業用の蓄電システムを新開発蓄電・発電機器

日本ベネックスらは、電気自動車の使用済みバッテリーを再利用した産業用蓄電システムを開発した。富士電機が産業用システムとして販売する計画だ。

» 2018年04月20日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 日本ベネックス(長崎県諫早市)、住友商事、富士電機の3社は、電気自動車(EV)のリユース蓄電池を用いた新型の蓄電システムを共同開発し、1号機を日本ベネックス本社工場に導入し運用を開始した。富士電機は、同システムを商品化し、産業用システムとして販売する計画だ。

導入した蓄電システム。日産「リーフ」24台分のリユース電池を活用した 出典:住友商事

 同システムは、20フィートのコンテナに日産自動車のEV「リーフ」24台分のリユース蓄電池を格納したもの。定格出力は400kW(キロワット)、容量は400kWh(キロワット時)で、日本ベネックスの高密度積載設計技術によって、従来の2倍の積載効率を実現したという。富士電機の蓄電制御技術をベースとしており、工場やビルの電力需要ピーク時の補助電源として電気代の削減に貢献する他、太陽光発電システムで発電した電力を自家消費したいというニーズに応えるシステムとなっている。災害時のバックアップ電源としての利用も可能だ。電池交換やメンテナンスもしやすく、大型化も可能という。

 この他、国が推進する自動デマンドレスポンス用の通信規格「Open ADR」に対応。外部サーバから充放電などの運転を制御することができる。今後普及が見込まれるVPP(バーチャル・パワー・プラント)などの新しいエネルギーマネジメント事業への対応も見据えた。

 さらに日本ベネックスと住友商事は、今回導入した蓄電システムと、本社工場屋根に設置した太陽光発電設備、日産自動車の商用EV「e-NV200」10台を組み合わせ、スマート工場のモデル構築を目指す「みらいの工場」プロジェクトにも取り組む。

「みらいの工場」プロジェクトのイメージ 出典:日本ベネックス

 蓄電池システムは、太陽光発電の出力の過不足を平準化や、工場の電力需要ピーク時の補助電源として活用し、工場の電力コスト削減を目指す。EVは、従業員の通勤や外出時に使用し、使用済みバッテリーを蓄電池システムにおいて再利用することで、バッテリーのリユースモデルの構築も目指す。

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