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» 2018年05月30日 14時15分 公開

IT活用:電力小売の販管費を劇的に削減、パネイルが業務自動化ソリューションを発表

新電力ベンチャーのパネイルが、電力小売業務の自動化ソリューションを発表。スイッチング処理や需給管理、請求処理などを自動化し、コスト削減に貢献するという。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 パネイル(東京都千代田区)は2018年5月30日、同社が提供する電力小売事業者向けの基幹システム「Panair Cloud(パネイルクラウド)」の新機能として、電力業務の自動化ソリューションを追加したと発表した。人手で行っている業務をソフトウェアで自動化する「RPA(Robotic Process Automation)」を電力業務に全面的に活用することで、コスト削減を支援する。

 パネイルは2012年の設立のベンチャー企業。電力小売業務の効率化を支援する基幹システム「パネイルクラウド」の開発・提供の他、グループ会社7社を通じ、新電力として電力販売事業も展開している。さらに2018年4月には、東京電力エナジーパートナー(東電EP)と共同で、電力・ガス小売を手掛ける共同出資会社PinT(ピント、東京都千代田区)を設立するなど、IT分野の技術力を強みに事業拡大を続けている(関連記事)。

 同社の提供するパネイルクラウドは、電力小売事業に必要な一連の業務の効率化支援を目的としたクラウドベースの基幹システム。11種類の機能で構成し、営業活動から顧客管理、需給管理、請求処理まで、電力小売事業に関する業務を一気通貫にカバーしているのが特徴という。これまでも、電力需給状況や料金プランの高速解析など、業務の効率化を支援する機能を搭載していたが、今回、より高度な自動化機能を追加した。

「パネイルクラウド」のイメージ 出典:パネイル

 例えば小売電気事業者が顧客に見積もり提案を行う際には、過去の実績明細を入力すると1分以内に試算・見積もりを作成できる機能を、顧客管理業務においては、電力広域的運営推進機関(OCCTO)のスイッチングシステムとAPI連携し、顧客情報を入力すると自動でスイッチング処理を行える機能などを加えた。これまでエクセルによる計算や、手入力で行っていた業務を大幅に効率化できるという。

スイッチングの自動処理も可能に 出典:パネイル

 小売電気事業において、大きな手間とコストがかかるといわれているのが、需給管理や電源調達に関する業務だ。これらの業務についても、電力需要の予測、その情報に基づいた需給カーブの作成およびJEPX(日本卸電力取引所)への入札、30分ごとのOCCTOへの需要調達計画の提出などを全て自動で処理することが可能だという。JEPXへの入札、OCCTOへの需要調達計画は沖縄を除く全国9エリアに対応する。

需給管理や電源調達の自動化も可能に 出典:パネイル

 パネイルの代表取締役社長を務める名越達彦氏は、「今回の機能追加でパネイルクラウドはほぼすべての機能(アプリケーション)が、RPAの評価水準において、『CLASS 2(Enhanceed Process Automation)』のレベルになった」と話す。CLASS 2とは、一部の非定型作業を自動化できるレベルに相当する。さらに「需給管理、電源調達業務の自動化については、自動化だけでなく自律的な改善も行う『CLASS 3(Cognitive Automation)』に達している」(同氏)という。

 同社でこれらの自動化機能を、“自社実践”のかたちでグループ会社の電力小売業務に導入し、システムの改善を続けてきた。同社は2018年1月時点においてグループ全体で約11万MWh(メガワット時)の電力販売実績を持つが、RPAを導入した結果、パネイルグループ全体の売上高に対する販管費比率を、3%台にまで削減することができたという。名越氏は「自社導入での改善を通じ、これらの自動化機能を外部にも提供できる体制が整った。今後も改善を続け、将来的には電力業務の“完全自動化”を目指したい」と話す。

 パネイルクラウドは需給管理や請求処理など、業務プロセスごとに“切り売り”するかたちでは販売せず、東電EPと新会社を共同設立した例のように、基本的にはアライアンスを前提に一気通貫で提供する方針。企業ごとのカスタマイズも対応可能としている。

パネイル 代表取締役社長の名越達彦氏

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