さらに平野氏は、非化石価値の視覚化が重要であると説く。「(2030年の電源構成においては)いわゆるゼロエミッション電源44%という目標が掲げられていますが、この数値は2030年時点の目標であり、まだまだニーズの高まりには至っておりません。これを実現するためにも、非化石価値の視覚化は大きな意味をもっています。今般、非化石価値取引市場が創設され、初回のオークションが行われましたが、重要な一歩が踏み出されたとものといえるでしょう」
間近に迫るFIT切れ案件の出現、いわゆる“2019年問題”については大きなチャンスだと捉える。「2019年以降、安価で経済的に自立した純国産のエネルギーが生まれてくるということです。発電者(プロデューサー)であると同時に消費者(コンシューマー)でもあるプロシューマーという方々が大量に誕生します。2019年単年度でも50万件を超える規模であり、そこには大きなビジネスチャンスが広がっています。近い将来、2018年というものを振り返った時には、ポストFIT時代の幕開けの年であったと実感することになるのではないでしょうか」
太陽光発電を真に社会に根付かせていくためには、発電システムの“長期安定稼働”が欠かせない。「太陽光発電が主力電源化していく中においては、発電事業者の役割と責任も非常に大きくなってまいります。長期安定稼働は、その根幹にあるべきものです。そうした認識のもと、このほどJPEAでは“太陽光発電事業の評価ガイド”というものを作成致しました。ここでは、安全性と持続性の高い事業運営や、地域との共生を重要なテーマと位置づけています」
最後に、平野氏は宣言する。「国産エネルギーの代表格に躍り出た太陽光発電を、パネルメーカーや発電事業者はもとより、裾野の広い周辺産業によって力強く育成していきたい。ここに向けてJPEAは、新しい時代にふさわしい取り組みを積極的に進めてまいります」
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