太陽光の第2回入札は「落札者ゼロ」、上限価格を下回る応札無く太陽光

大規模な太陽光発電のFIT買取価格を決める入札制度の、第2回の結果が公表された。非公表で設定された上限価格を下回る応札がなく、落札者は初のゼロとなった。

» 2018年09月11日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 2017年度から2MW(メガワット)以上の太陽光発電を対象に、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」に基づく買取価格の決定に導入された入札制度。指定入札機関である低炭素投資促進機構は2018年9月4日、第2回の入札結果の内容を公表した。その結果、第2回入札における落札者は「ゼロ」だった。

 第2回の合計募集容量は250MW(メガワット)で、入札参加資格の審査のために提出された事業計画数の合計は19件、実際の入札件数は9件、容量ベースでは約197MWとなった。

 これらの入札があった中で落札者がゼロとなった理由は、事前に設定した上限価格を下回る応札が無かったためだ。第2回入札は前回とは異なり、上限価格を非公開とする形で実施された。今回の上限価格は開札後に公表され、15.5円/kWh(キロワット時)だったこと明らかになった。

 だが、今回の入札9件全てが15.5円/kWhを上回ったため、落札者がゼロという結果になった。最も安い入札価格でも16.47円/kWhで、上限価格とは1円近い開きがある。なお、最も高い入札価格は20.99円/kWhで、2件が18.0円/kWh、残り6件全てが18円未満/kWhの入札となっている。

第2回入札の結果 出典:低炭素投資促進機構

 第1回入札は上限価格を2017年度のFIT買取価格と同額の21円/kWhと設定し、事前に公表していた。だが、応札量が募集容量を下回ったことなどを受け、第2回は調達価格等算定委員会で上限価格を決め、非公開で入札を実施することになっていた。

 今回は落札者がゼロに終わったものの、15.5円/kWhという上限価格の設定から、政府が新規の大規模なメガソーラーに対して想定するコスト水準が見えてきたともいえる。こうした背景を踏まえ、第3回の入札でどういった結果が出るかが、今後の国内太陽光発電の方向性を左右しそうだ。

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