LINEヤフーは7月11日、独自開発した生成AIツール「SeekAI」を全従業員向けに導入すると発表した。これにより、社内規定やルール、問い合わせ先、コーディング時の技術スタック、顧客や取引先とのコミュニケーション履歴などの把握を効率化。年間70〜80万時間分の業務削減を目指す。
SeekAIは、企業が持つ固有のデータをLLMに参照させることで、ハルシネーションを抑える手法「RAG」を活用したツール。LINEヤフー内のワークスペースツールや社内データを参照元として、従業員が入力した質問に対する回答を端的に表示する。
想定するユースケースは、事業部門では「顧客とのコミュニケーション履歴の確した上での営業活動や資料作成、営業戦略の策定」、エンジニアでは「コーディング時、技術スタックの検索・選定」、従業員に対しては「貸与機器や業務ツールのヘルプ情報や問い合わせ先の参照」など。
LINEヤフーは全社導入に先駆け、一部業務でSeekAIをテスト導入していた。テスト時には、技術関連のナレッジや共同作業ワークスペースツール、社内Q&Aを参照させ、コーディング業務の効率化に活用。結果、エンジニアのコーディング業務では技術スタックの検索・選定にかかる工数・時間を削減できたという。他に、広告事業のカスタマーサポート業務でも活用し、テスト導入段階で約98%の正答率を達成したとしている。
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