「結局、生成AIってどう使えばいいの?」――そんな疑問に答える文章がエンジニア向け情報コミュニティー「Zenn」で公開され、はてなブックマークなどで話題を呼んでいる。執筆したのはプログラマーで、ITエンジニアに向けた教科書の著書もある米久保剛さん。「ITエンジニアのためのプロンプトエンジニアリング」と題し、主にITエンジニアに向け、大規模言語モデル(LLM)の仕組みや、それを使いこなすためのプロンプトエンジニアリングについて解説している。
文章は全体で3部構成になっており、第1章では、LLMの仕組みとプロンプトエンジニアリングの概要について説明している。米久保さんによると、LLMは「入力された文章の続きを予測・補完し、まとまった文章として完成させよう」とするものであり、その振る舞いにはランダム性があるという。このため「特定のタスクを完遂するにはより明確で具体的な指示が必要」であり、その実践的な技法がプロンプトエンジニアリングだと定義する。
続く第2章では、代表的なプロンプトエンジニアリングの手法を紹介する。例えば、質問の前提となる情報を先に与える「モックプロンプト」の項では、たんに「1on1で重要なポイントを3つ挙げてください」と質問した場合と、「私は、マネージャーとして組織目標の達成と、部下の個人目標の達成を願っています」と入力してから同様の質問をした場合を比較。後者の方がより具体的な回答を得られることを示している。
第3章では、ITエンジニア向けのプロンプトテクニックを説いている。「ITエンジニアはプログラマーの流儀でLLMに接することで大きな恩恵を得ることが可能」だとし、疑似コードをステップバイステップで実行させて正しい結果に近づけるといったテクニックを紹介。実際にLLMを活用していく際のコツを複数挙げている。
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