ChatGPTの登場から2年半。後続サービスも続々と誕生し、ビジネスにおいて生成AIの活用は当たり前になりつつある。一方、毎日のように更新され続ける情報に追い付けず、まだその真価を発揮し切れていないという人も多いだろう。
そこで本連載では、エグゼクティブやインフルエンサー、企業内のAI活用推進者などの生成AI活用法に注目。圧倒的な実力を発揮する“トップ人材”たちは、どんな生成AIをどのように使いこなしているのか。そしてそんな人材を抱える企業は、どのようにAIを利活用しているのか──業界や職種を問わず追いかける。
今回は、サイバーエージェントグループで生成AIコンサルタント・講師を務め、同社を中心に7000人以上の生成AI活用を支援してきた及川信太郎さんに、仕事でのAI活用法を聞いた。
社内外向けに、生成AI活用に関するリスキリング研修を実施している及川さん。自身も生成AI向けノーコードツール「Dify」を使い、業務を効率化しているという。
例えば研修で使う資料作成では、複数ステップのタスクを自動化するDifyの機能「ワークフロー」を活用。従来は「トレンドに合わせて大量の資料刷新が必要だった」として、資料作成に数十時間かかっていた一方、ワークフローの構築後は、約10時間で研修内容と資料の骨子を作成できるようになったという。
情報収集にもDifyを使っている。生成AIに関するニュースを要約し、業務で利用しているSlackのチャンネルに送信できるようにすることで、情報の一元管理を実現したという。
他には、サイバーエージェント傘下が手掛ける企業向けAIプラットフォームも活用。研修の内容に関する質問に答える「講師エージェント」を作成し、工数を従来の3分の1にまで減らしたという。
またAIを使う際の工夫として「特にテキスト生成では、自分なりのプロンプトの型を見出し形式で整理する『マークダウン記法』を用いて、よく使うプロンプトを10個程度生成している」という。他に「プロンプトを作成するプロンプト」なども自作。それらをチームメンバーにも展開し「フィードバックを受けることで、自分だけでなくチームで業務効率化を目指している」と語った。
AIで「月1000時間」の業務効率化――サイバーエージェントのAI活用率いるエンジニアが頼る、“6つのAIツール”とは
IIJの“名物広報”は生成AIをこう使う SNS上の評判をAIで分析
「消費者は質の高いコンテンツを受け入れ、ゴミを拒絶する」 コカ・コーラCEOが語った生成AI×マーケティングの今後
Sansan営業チームの“AI活用旗振り役”は生成AIをこう使う 商談の準備時間を4分の1に
“非エンジニア”でも生成AIで効率化ツール量産 LINEヤフーで社内表彰グランプリを獲得したAI活用術とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.